不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

信念の元で

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私は余りサッカーに興味はないのですが、昨夜は後半から観ていました。

思いの外、北朝鮮チームはまとまりがあり、しかもラフプレーが少なかったように思います。

(まあ、オーバーパフォーマンスはありましたけど)

終始日本の方が攻め続けていましたが、思いの外良くやっていたと思いました。

どういう訳か、北朝鮮チームのメンバーの方が印象に残っています。

試合中、彼らは明るくにこやかで、しかもひたむきだったように見受けられました。

多分、外国に行く機会は少ないのでしょうし、外国でこのような華やかな舞台に立てる機会はもっと少ないからなのでしょう。

自由の空気を満喫していたように思います。

北朝鮮チームのゴールキーパー、前半で少し負傷したようです。

後半は苦しそうに足を引きずっていましたが、それにしては見事なプレーでした。

日本側は20本以上のシュートがあったそうですが、1本を除いて防いだのですから大したものです。

それでも最後の最後に1点入れられてしまったのが悔やまれるところです。

彼が座り込んでしまった映像が印象的でした。

正直、同情しました。

どんなことを考えていたのでしょうか。

聞くところによると、少ない予算で備品も古びている中で、トレーニングをしているそうです。

自由なことも言えないでしょうし、当然、現体制に文句も言えません。

でも、彼らの笑顔を観ていると、きっとサッカーが好きなんだろうなという気がします。

正直、デブ金親子のために、マジで戦っている選手はいないと思います。

心底共産党に忠誠を誓っているかなど、ACのCMではありませんが、心が見えない以上は分かりようもありません。

ただ、どんなに世界中から非難をされても、貧しくとも、友人や家族がいる自分たちの故郷、祖国(国家ではない)の名誉と誇りのために戦っています。

そういう心根でいるのだと思いました。

確かに北朝鮮は世界的に見てもとんでもなく酷い国ではありますが、選手たちには選手たちの信条の元で戦っている、そんな気がしました。

帰国しても研鑽を積み続け、また世界の舞台に戻ってきて欲しいと、本当に願いました。

私は多くの日本人たちもそういう気持ちを理解してあげられると信じています。

SD110903 碧洲齋