不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

震災所感 その後の展望

震災後、私がなにげに思った事を書き留めておきます。

あくまで私個人の感想です。

この大震災で日本はしばらくの間、バブル後の経済状況よりもやや落ちた状態で低迷する可能性が大だと思う。もちろん、復興景気がやってくる可能性もかなりあるが、今回、今までと異なるのは原発事故があったこと。果たして復興景気がやってくるかどうか。少なくとも国際的に貿易額が増えていくとはしばらくは考えにくい。国内的にはもしかすると活性化するかも知れないが、世界で1.2位を競っていたような経済力は残念ながらしばらくはないだろうと思う。短ければ10年以内かも知れないがそれよりは少々長引く可能性もある。

ともあれ国内的には震災の被害は淡々と修復していくと思う。自然鎖国のようになるか?分からない。

この震災で日本の意識が変わったとしたら、この震災で亡くなられた犠牲者たちの功績かも知れない。この未曾有の大災害が日本人にとっての分水嶺になると感じている。

・エネルギーに対する考え方。

今、日本の電力の1/3は原子力によって賄われている。非常に効率の良い発電方法であることは否めない。が、同時に非常に大きな負の遺産が大きい方法でもあった。使用済み核燃料は地下深く「埋葬」される。それはずっと増え続ける。普通のゴミのように捨てることができない。つまり負の遺産の先送りだ。今までかなり小さくしか扱われていなかったことに驚きを隠せない。また、今回の震災で分かったと思うが、事故があると、とんでもない悪影響をおよそ考え得る限り広範囲に及ぼす。ハイリスク・ハイリターンのエネルギーではなく、もっともっとエコロジーなエネルギーの生産を、日本人は狙っていくのではないだろうか。国家規模でこれが成功したら、これは日本起死回生の大きなステップになると思う。私は成功する方に賭けてみたい。

・人口問題

この大震災は日本人たちにどんな心の傷を与えたのか、亡くなってしまった方々には大変不謹慎ではあるが興味がある。危機に際しては「産めよ殖やせよ」ではないが、子供を多く作ろうという空気が出来ればいいと思う。今すぐというのは難しいかも知れないが、後何年かして、不況以上に日本再生のために人々が燃えだしてきたら、この長年問題だった人口問題が解決してくるのではないかと思う。人口増加は大抵の難しい問題を解決してしまう力がある。叡智がなくとも人口増加は大抵何でももたらしてくれるはずだ。

・自殺問題

これも興味がある。私の予想では減るのではないかと思う。別のブログに書いたが、今回の犠牲者(行方不明者を含む)は約3万人、毎年の自殺者数と同じだ。これから死のうと思っている人ははっとさせられていると信じて止まない。死ななければならない理由はあるにしても、生きなければならない理由の方がやや多く、そして重要さを帯びていることが多いと思う。

・雇用問題

震災解雇はしばらく続く。しかし、その後、雇用は増える方向になってくると思う。少なくとも減ることなはいと思う。但し貿易をしている企業や業種は苦しいものがあるかも知れない。但し放射能という、風評が取れれば早く回復するだろう。

円高

私は経済のプロではないのでご了承ください。一介の貿易業務者です。中長期的にはしばらく円安になると思う。今まで異常だっただけに、円が90円前半にでもなれば貿易においてやっと均衡してくる。海外で日本製品がまだ必要とされているのであれば、貿易は活性化する。全く冷え込むとは考えにくいから、この辺りは見込めそうな気がする。もっとも貿易は相手国あってのことだから、相手国の対応如何では冷え込むことも十分にあり得る。

・政治

国が乱れるときこそ、真のリーダーが立ち上がってくる、はずなのだが、今のところその兆しはなし。もしかしたらこの病根は深すぎる程深いのかも知れない。この危機に際して幕末維新の政治家たちと比肩できるような政治家が現われてもおかしくないと思っているのだが、やはりそういう都合の良い話は政治に関してはないらしい。本当に残念だ。だが政治家たちは今以上に厳しい国民の目を覚悟して欲しいものだ。

・教育

今こそ祖国を愛する、祖国の尊さ、命の尊さを実体験として教えられる機会かも知れない。

戦後の左翼的自虐的反日的教育をかなり転換できるまたとない機会だと思う。平均すると70-80年に一度、地理的経済的地理的な災害がやってくることを考えると、今回の機会を逃すと本当に本物の日本人が死滅する可能性が高い。文部科学省はその辺りよく考えて欲しい。

SD110403 碧洲齋