不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

「こころ」はだれにも見えないけれど

「こころ」はだれにも見えないけれど

「こころづかい」は見える

「思い」は見えないけれど

「思いやり」はだれにでも見える

今や知らぬ人はいない、ACのコマーシャルです。

語り人はこの女の子

画像

岡本玲さん 御年まもなく20歳。

タレントとしてどのくらい有名なのか知らないのですが、本当に可愛らしい娘さんです。

色々言われていますが、基本的に私は昔からACのCMは好きです。

何故、今回、これを取り上げたのかと言えば・・・

玲ちゃんがかわいいから・・・

ではない!(それもあるが)

昨日の座禅会でのやりとりに関して浅からぬ関連性があったからです。

昨日、座禅会の茶礼の時に住職に質問しました。

「今回の大災害で亡くなられた人の数は約3万人近くです。

一方、ここ10年ほどの日本の自殺者数は毎年3万人を超えています。

どちらも同じ仏の現れ方なのでしょうか。」

つまり日本では毎年、今回のような大震災クラスの死者が発生しているのです。

しかも自分たちの意志で。

私が住んでいる草加市の人口は約25万人です。

しかしここ10年で自殺した数の累計は30万人以上にもなります。

10年で草加市の人口以上の人間が自殺を選んだという事実に震撼せずにはいられませんでした。

住職はこのように答えて頂きました。

「基本的に森羅万象の表れは全て同じ仏の現れ方ですが、やはり自殺はよくありません。

想いとか意識というのは言ってみれば滓汁、排気ガスのようなものです。

それらがあると思い込んでいるのは錯覚であり幻想です。

しかしそれを元に実行に移せばそれは現実のものとなります。

錯覚や幻想が現実になるのです。

要するに自殺と呼ばれる行動は間違った幻想や想いから実行に移されています。

自殺に思い立つ人が持つ問題というのは基本的に当人の想いの中にしかありません。

当人の外側には存在しないものです。

そこの辺りをよく考えて欲しいと思います。

また、自殺というのは本人の周囲の方々に多大なる精神的負担をかけてしまいます。

これは本当に迷惑になるので、よくよく思い止まって頂きたいと思います。

一方で、災害でなくなった方に対して、可哀想だなぁ、と思ってボランティアなどに行動を移す人は、それは本当に仏性の正しい現れ方なのだと思います。

人は皆、そういう慈悲の心を持っているのですから」

ここの寺では本当に今にも自殺に走ってしまいそうな人が頻繁に座禅会にやってきます。

私もいつの間にか古株になってしまいましたが、そういう方が来るたびに緊張せずにはいられません。

その方々の苦悩がそこにあれば、一刀両断してしまいたいところですが、その方の想いの中にしかないというのであれば、これはなかなか一筋縄ではいかないところです。

私も自殺を考えたことがなきにしもあらずですが、なに、過ぎてしまえば大したことありません。

同じ状況になっても、いや、もうちょっと悪い状況になっても、もう大丈夫だと思います。

ひとえに禅や師、仲間たちの助力によるものです。

私はいつも、周囲の人たちには抜群に恵まれています。

だから感謝に尽きません。

死ねば人は皆、仏になります。

たぶん自殺だろうが他殺だろうが災害死だろうが同じです。

しかし、もやもや、フニャフニャ、スカスカしたものに殺されては、折角頂いた命に申し訳ないと思った方が、世の中万事うまくいきそうです。

SD110425 毎日妄想幻覚と格闘している、不動庵 碧洲齋