不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

拱手について

その昔、中国で普通に使われた挨拶です。

男性の場合は左手で右手の拳を包んで軽くお辞儀をする。

女性の場合は左右が逆になります。

映画では時々見られますね。

現在の中国ではごく一部の場合を除き、使われないそうです。

我が社の中国にいる現地人スタッフにメールで尋ねてみました。

以下質問に対する回答原文のまま。

1.正月になってから初めて相手と会った時、相手に「拱手」しながら「明けましておめでとうございます」と言います。

2.相手がおめでたいことがあっておめでとうの意味を伝達する時

(大体少々年取った男性同士しか使わない)

例1:友達が60歳、70歳以上の誕生日の披露宴に出席する時友達に「拱手」しながら「お誕生日おめでとうございます」と言います。

例2:友達の開店お祝いの時

例3:友達の子供さんの結婚式を出席する時

新郎または新婦のお父さんに「拱手」しながら「おめでとうございます」と言います。

3.③武術家同士がお互いに武芸を磨き合う前に相手を尊敬する意味で相手に「拱手」をする。

しかしこれも40代以上の男性しか使わないそうです。

今は握手が主流だとか。

先日観た「ドラゴンへの道」ではヒロインはちゃんと「拱手」していましたが、確かに旧正月の時でした。

ん~、中国では2000年以上も使われてきた習慣も文化大革命で破壊されるのか。ちょっと驚きです。古いものをそんなに簡単に取り替えてしまうその精神に震撼させられます。この辺り、中国人が古いものを大切にしないということが実感させられます。日本だったらお辞儀の習慣を廃絶することは不可能なんじゃないでしょうか。

先日日本に来た中国人研修生の女の子は同じ質問に対して冷ややかに「武術家とヤクザしか使いません」などと答えていましたから、よほど流行らないんでしょうか。

個人的にはこの中国式のお辞儀はかっこよく見えるので、出張の際はどうしても使ってみたいところです。でもやはり笑われるかな?

SD101022 碧洲齋