不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

中国人の気質を垣間見た

米国留学中と豪州赴任中の話しです。

初めてニューヨークに行った折、単独でチャイナタウンに行きました。海外で見た初めてのチャイナタウンでしたが、不況の折と言うこともあり、エラく汚いところだなと感じました。まあニューヨーク自体結構汚かったのですけど。しかしながら中国の街ってこんな感じなんだろうなというリアリティはありました。ホテルへの帰路、地下鉄に乗りました。私は先に乗り込んでシートに座り、バッグから何か取り出そうとしてカメラを隣のシートとの隙間に置きました。もちろんストラップは手首にかけていました。数駅後、隣にいた中国人グループがわらわらと去っていきました。で、自分が降りる段になって初めて気付きました。カメラを盗まれた・・・。冬場だったのでストラップを手首にかけていたと言ってもジャンパーの上からでした。チョキンと切られても分かりません。ともあれこの私が全く気付かなかったのですから大したものです。

もう一つは豪州での話し。郊外の住宅地には中国人が群れを成して住んでいるエリアが幾つかあります。最初は一家族、次に親族、店ができはじめるともうとりとめもなく増えていき、それ以上に犯罪が多くなるとのことです。これはホストファミリーやホストマザーの義弟(警察官)からも聞いた話しです。そうなると元々住んでいた豪州人(まあ移民の人も多いですけど)が去っていきます。そうなると場所によっては魔の巣窟みたいに車で通ることも憚られる場合もあります。夜なんか論外です。一度、夜中にそこを通らねばならなかったときは、友人がいきなりスピードを上げはじめたのでびびりました。ゆっくり走っていたら襲われる可能性が大なのだそうです。確かに日中走っていても場所によっては穏やかならぬ感じがします。

中国人の名誉?の為に言っておきますが、まじめにこつこつ働いている人は群れません。商売をされている方はそういうエリアと中国人の客を避けて商売をしています。

豪州には色々な国の街があります。イタリア、ギリシャ、ドイツ、ベトナムインドネシア等々、でも「キケン」のレッテルを貼られているのはどうも中国だけのようです。

仕事をしていたビルの同じフロアに中国人の学生起業家がいました。プロバイダーですね。多分親が出資してくれていたのだと思いますけど、学生のうちからビジネスをしていました。正直な話し、こういう点は日本の学生も見習うべきでしょう。たくましく感じました。が、何でも金で決着を付けようという辺り、少々食傷気味でした。ちょっとパソコンを見てもらうにも1時間いくらだとか(そりゃもうそれは正統な権利ではありますけど)、何か事務用品を借りたらお金を払おうとしたり(ホチキスぐらいでお金を取るほど日本人はセコくないと暗に言って貸しました)。まあ私も意地が悪いのでお願い事があるときはスタッフの中ではなかなか可愛らしい日本人の女性スタッフを立てるとか、パーティーに誘うとかしてうまく丸め込みました。学生なんて単純です。そのうち何でも言うことを聞くようになりました。2度目の赴任の時は彼らはもう別のビルにオフィスを構えて大きくなっていました。いやいや驚きです。本当に商魂たくましいです。

ちなみに勤めていた日本語学校の会計士も移民中国人でした。なんかとてもハングリーな人でした。同じ年齢でしたが色々な意味で頭が下がりました。彼の口癖は「俺は本当は友達なんかいなくてもいいんだ、でももっと収入が増えて楽な生活をするまでは仕方なく、友人や顧客などと関係を持たなくてはならないんだ」でした。そうかも知れないけど顧客に言う台詞じゃないでしょうと突っ込みたくなりました。彼には友達はいたのかな。結局この日本語学校はつぶれてしまいましたけどね・・・。この頃からチャイナパワーは感じてはいました。

終戦直後、高度経済成長期の日本人もこんな感じだったのでしょうか。よく分かりません。もっと礼儀正しかったのかも知れませんし、実は「衣食足りて礼節を知る」ではありませんが、一息ついてからそう見られるようになったのか。しかし今の中国のニュースを見る限り、あまり良い話しは聞きません。

移民に関して、豪州はとにかく人口に比して国が大きい。あれだけ巨大な土地にもかかわらず、人口は日本の1/6足らず。だから国家のために役立つ技術を持ち、ちゃんと税金を払ってくれるのであれば犬でも猫でもOKなのです。私もビジネスビザ更新時、何度も「今なら永住ビザが簡単に取れます、あなたらな国籍の転向も簡単に取れますね」なんて言われました。

中国人の中には文化大革命のために命からがら逃げてきた人もいますし、香港合併の際に不安になって逃げてきた人も大勢いました。こういう人は本当に災難です。中国人の方から話を聞いたことはありますが、誇大表現はあっても国家権力が民衆の味方ではないばかりか、危害を加える側にもなり得るのですから、国を捨てて必死に逃げようと思っても当たり前です。

そう思うと日本人は何が何でも日本列島でがんばる、不思議な民族ですね。遙か太古の石器時代からずっとがんばってきたのだと思うと、私は妙に誇りに感じてしまいます。

SD100608 碧洲齋