不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

サンタからのプレゼントは今年が最後

今年の初めのこと、私は例年通りサンタクロースからのメールを受けました。

英語で書かれていたものですが、和訳して息子に概要を伝えました。

幸いにも息子はサンタクロースが今年最後であることをよく理解してくれました。

皆さんもサンタからのメッセージはあまり見たことないと思うので、特別にお見せします。

「親愛なる ○○

私はとても残念なお知らせをしなければなりません。

君に直接、プレゼントを届けられるのは今年が最後になります。

来年からはお父さんから受け取って下さい。

君のお父さんにはよく言っておきます。

今、この世の中はとても不幸なことがたくさん起きています。

先日も、中東の貧しい国の子供たちからプレゼントのリクエストの手紙を受けました。

その手紙は私に届くまで何度も戦場や危険地帯を通り、そのために何人も死にました。

そして私のところにやっと届いた、そのボロボロになった手紙には、

『たった1日でいいので、銃や大砲の音がしない1日とお腹いっぱいの食べ物をください』と書かれていました。

また、別の手紙には『1日だけでいいから、お父さんとお母さんに会わせて下さい』と書かれたものもありました。

私たちはとても胸が苦しく感じ、悲しくなりました。

私たちサンタクロースは今の科学技術では大変進んだ乗り物を使い、地球上、どこにでも瞬時に移動できる技術を持っていますが、それでも私たちから直接、プレゼントを受け取っている人は僅かです。そして君のようによい両親を持ち、平和な国に住んでいる子供で私たちからプレゼントが届いていることはとても幸運なことなのです。君の周囲に私たちからプレゼントをもらっている子供はどのくらいいますか?とても少ないと思います。

しかし、私たちは来年から、本当に小さな子供以外、ご両親たちからプレゼントをもらうようにお願いしました。

そして私たちは本当に貧しい地域、本当に危険な地域に住んでいる、本当に私たちを必要としている子供たちのために集中して働こうと思います。多分、君なら分かってくれると思います。

君のお父さんが、君が宇宙飛行士を目指していると教えてくれました。私たちも時々、宇宙に近いところを飛びます。そして地球を見下ろすとそこには国境がありません。でも夜の部分に行くと、その見えない何かのために戦争をしている様がよく見え、とても悲しくなります。本当は見えないものこそ大切なのに、その見えないもののために戦い、殺し合うことは本当に愚かで悲しむべき事です。君には分かりますか?

宇宙に行くには色々な国の多くの人たちと協力をしなければなりません。宇宙に行くまで、君は感謝を知るでしょう。宇宙に行ったら世界中の人たちと仲良くする素晴らしさが分かるでしょう。そして地球を観たら戦争の愚かさが分かるでしょう。宇宙から地球に向かって祈れば平和の大切さが分かるでしょう。ぜひ宇宙に行き、人類の発展のために活躍して下さい。きっと君ならできます。そう信じています。

この次、君と連絡が取れるのは、君がお父さんになった時です。だから、必ずお父さんになって下さい。お父さんにならないと、私たちと連絡が取れません。君がお父さんになった最初のクリスマスの前に、私たちから君に連絡が行くはずです。しかし私たちからのメッセージはとても小さく、目立たないので、よく注意していて下さい。あなたのお父さんがしていたように、正しく広い心を持つように努力して下さい。そうすれば私たちのメッセージに気付くことでしょう。

それまではしばらくお別れです。でも私たちはいつでも君を見ています。本当に困ったことがあったらお父さんに頼んでみて下さい。それではまたの再会までお元気で。

サンタクロースより」

サンタクロースのハイテクを以てしても、世界の不幸をカバーできないことは本当に悲しむべき事ですね。

息子が父親になり、サンタクロースと連絡が取れることを期待するばかりです。

平成二十四年霜月二十七日

不動庵 碧洲齋