特に武芸の道場には必ずといってよいほど「道場訓」が掲げられています。
流派によると思いますが、礼儀とか尚武とか勇気とか、まあそんなことを諭していることが多いのではないでしょうか。
当流にももちろん道場訓はあります。が、ちょっと風変わりなものかもしれません。
この写真は私が入門した当時、師が所有していた道場に掲げてあったものです。
兄弟子の家に写真があったので、懐かしさのあまり複写しました。
道場訓の中で一番好きな文句はやはり最初の句でしょうか。
「忍耐はまず一服の間とぞ知れ」
忍耐と言うと、歯を食いしばって我慢する、がんばる、嵐が去るのを待つ、といったイメージが強いと思います。
当流ではこの辺りがちょっと違います。
忍耐とは嵐が去った後に行動するための準備期間と考えられています。
相手よりもちょっとその先の準備をしておき、事に備える、そんな感じでしょうか。
当流は忍術でもよく知られていますが、その辺りなどはまさに忍びという感じですね。
道場訓は年齢と共に見方が変わってきます。
10代、20代、30代、そして今の40代となってどんどん捉え方が変わります。
人生経験が増えたからなのか、単に年を取ったからなのか分かりませんが、おもしろいと思った次第です。
SD110219 碧洲齋