不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

中国政府と中国人に思うこと

明後日、ノーベル平和賞の授賞式が執り行われます。

残念ながら中国人の人権活動家、劉暁波氏は国家政権転覆扇動罪のために収監中で、出席できません。中国政府は世界各国に授賞式に参加しないよう恫喝、もとい圧力をかけまくっています。中国に同調している国も概ね人権に問題がある国のようです。世界的に大きな影響を与えつつある国が、そのような国々と連んでいることに暗澹たる気持ちです。

ましてやその国が我が国のまさに隣、かつ歴史的に深い関係がある国となると、絶望的でもあります。

中国出張から帰国してよく思うことがあります。

平安時代、命がけで中国に赴いた一団がありました。遣唐使と呼ばれています。帰還率は現代のロケットよりもはるかに低く、まさに命がけでした。約20回、2隻ないし4隻の船団で行ったと言われています。

その頃の日本人と中国人はどんな性情だったのでしょうか。

今の問題が取り沙汰されている中国人のような社会に、まじめに命がけで何かを学びに行こうと思ったのでしょうか。それともこの頃の中国人は日本人好みの非常にまじめな人が多かったのでしょうか。

日本人の性情もいかがなものだったのでしょうか。今よりもおおらかで、ネットで罵詈雑言されているようなジコチューな中国人にすら寛大だったのか、もしくは日本人も実はジコチューで意気投合していたのか。なにせ1000年以上前の話です。思いを馳せても想像が付きません。ただ現実に古代において遣唐使という国家の大事業をやったという事実があるだけです。

今、1ヶ月ほど前から会社に中国工場から二人研修に来ています。

1人は何とか日本語が使えるというレベルでもう1人は全く話せません。

2人はいつも一緒にいますが、日本人達とあまり会話はなさそうです。

ただ最近、とても嫌になる事があります。

工場の作業員達はいつも研修生を「あの中国人達」という言い方をします。

全く以てイカンですな。

私は中国政府のやり方には断固反対しますし、嫌悪感すら抱きます。

また、中国人観光客のマナーのひどさにもいい加減辟易します。

しかし現実にここにいる研修生は少なくともまじめに仕事をしています。そして何と言っても同じ会社の仲間です。「あの中国人達」はないでしょう。私はこういう物言いにちょっと怒りすら覚えます。

外国人と接するとき、接する(いや、接しなくても)一人一人が母国の大使のように振る舞わなければならないと思っています。接触を受ける外国人はその人が日本を代表する態度だと感じるはずです。

彼らが帰国して「やっぱり日本人は思ったとおり嫌なヤツばかりだ」などと言われてはそれこそ恥です。反日思想に凝り固まっている国にこそ、日本人の真骨頂を見せつけてやるべきです。少なくとも私はどこの国であれ、相手に敬意を以て接するように心がけています。・・・もちろん、相手があまりに酷い場合は信があった場合のみ、一人の人間として諭し、それでもだめな場合は接しないよう心がけますが(笑)。私は1日1回は彼らと挨拶を交わして、少しでも時間を持つように心がけています。

でもまあ、仕事は一生懸命やりましょうね(笑)。

SD101208 碧洲齋