不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

八紘一宇のこと

先日も桐生市で小学校6年生の女の子が自殺してしまいました。

お母さんのために編んでいたマフラーで首をつったというのが本当にいたたまれません。

お母さんはフィリピン人だったそうです。

私の時代と違って、今はよくハーフの子供をよく見かけます。

一クラスに1.2人ぐらいはいて、別に珍しい存在ではないのかなと勝手に思っていました。

その辺り、他と違うことを極端に恐れる日本の悪しき習性がまだはびこっているようです。

人間という生き物は水に落ちた犬を哀れむと同時に楽しむ残忍な一面を持ち合わせています。これは子供で大人でも同じように思います。大人になると色々と理論武装した鎧に隠そうとしますが、やはり残忍な部分はあるように思います。たいていの人はそうではない、暖かい部分に居心地良さを覚えてしまい、黒い一面を忘れたり出さずにいます。それが普通です。

私も自分のHPのプロフィールの一番下に書きましたが、トータルで概ね6年ぐらい、いじめに遭っていました。軽いものから深刻なものまで色々でしたが、ブルーな日が多かったのを覚えています。運が悪かっただけなのかも知れませんし、私の性格に問題があったのかも知れませんし、環境のせいだったのかもしれません。いくつかの条件があったのだと思います。

中でも小学校6年生の時が一番苛烈極まりないものでした。これはさすがに自殺という言葉が頭をよぎったこともあったかも知れません。中学校になると部活などで忙しくなるので、小学校6年生ほどではなかった気がします。

この亡くなった女の子には可哀想ですが、いじめている人たちは被害者関係者が想像しているほどには罪の意識を感じていません。大体人間は自分が悪だという認識に平気でいられるほどには強くないと考えます。この辺り、人間は冷酷にできています。自分が悪だと言って憚らないのは特撮ヒーローものの悪役だけです。

もしかしたら彼女を死に追いやったクラスメートの中にはこれを機に目覚める人がいるかも知れません。死んだ人は生き返りませんが、そのような目覚めをする人によって、彼女の死が無駄にならなかったと言えます。

クラスメートのせいだけにはしたくありません。その子供たちの親たち、周囲の環境、教育レベルの低下、日本におけるすべてが潮のようにひたひたと下がってきているように思います。

私は息子には日頃から命のあり方について、よく話し合います。神について仏について、あの世についてこの世について、生について死について、息子が興味を持ったときは可能な限り誠実に深く話し合うように心がけています。人によっては私は欠陥だらけの父親とも思われているかも知れませんが、正直に言って勉強やスポーツができるとかに比べたら遙かに重要なことだと思っています。大学に行く行かないの心配よりも、この問題に取り組む取り組まない方がよほど心配です。特に日本はもう半世紀以上も「戦死者」がいません。色々ありますが日本はよその国よりも遙かに平和であることには違いないのです。その代償として、生と死について、少なくとも大人になるまで一度は眠れないほどに悩んで取り組んでもらいたいと思います。

人間の性質は人類発生以来変わったようには思いませんが、長所を上手く利用してここまで来れたのだと信じたいところです。これからも日本人の長所を伸ばしていきたいと思います。

亡くなった上村明子さんはもう仏です。だからこの世に未練はないと思いたいところです。あの世はとてもよいところだから亡くなった方々は皆、生き返ったりしないのだと信じます。しかしご両親には心よりお悔やみ申し上げます。特にお母さん、決して日本を嫌いにならないで欲しいと思います。太古の昔、東西南北、色々なところから色々な民族が夢や希望を持ってこの狭い島にやってきてできた日本です。多分、何千年も前にあなたの国からも小さな舟でこの島にやってきた人もいたと思います。八紘一宇という言葉はあながち伝説や神話ではありません。日本人がそれを自覚できる日が来ますように。

我が身の恥を晒すようですが・・・

http://fudoan.cdx.jp/ijime.htm

SD101028 碧洲齋