不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

種族維持本能のこと

その昔、手塚治虫が描いた短編マンガで一番怖いと感じた話しがあった。

それはある日突然、大人の「種族維持本能」が欠落して子供たちを虫けらのように殺すようになる話しだ。

主人公の少年は最後まで母親を信じて帰宅するのだが、母親に包丁で首を切り落とされてしまった。

確か小学校3.4年生頃に読んだと思うのだが、しばらく怖い気持ちが収まらなかった気がする。

今でもよく思い出す。

翻ってみれば、現代では子殺しが日常的になってきている。

あの短編マンガが現実になっている。

手塚治虫は何をモチーフにあの短編を描いたのだろうか。

正直に怖いと感じる。

個体に原因を求めてもあまり意味がないように思う。

社会全体がそれをさせてしまうような方向に進んでいるためだ。

犯罪を起こさせてしまう社会。

鬱を大量発生させてしまうような社会。

自殺を発生させてしまう社会。

いじめを起こさせてしまう社会。

それと引き替えにとんでもなく便利になってきている。

モノの豊かさとココロの豊かさは両立しないのか。

ああ、そういえば「銀河鉄道999」でも機械の体になると人が変わるとあるから、あれなどはモノとココロの究極の構図なのかも知れない。

給料日だというのに朝から何ともネガティブだな・・・

SD101025 碧洲齋