不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

2670対234

*すみませんタイトルの数字は私の勘違いでした。正しくは2670でした。

これ、何の数字だか分かりますか?

左は日本国ができてから経過した年数、右が米国のそれです。

つまり日本の歴史の長さはアメリカの10倍以上と言うことです。

アメリカの場合は1776年7月4日とハッキリした日付が文書と共に残っていて、歴史的に証明されたものです。

一方日本の方はほとんど神話に基づいて明治時代に制定されたものです。

何でそんなことをしなければならなかったのか。

これはよく外国人に説明するのですが、日本人はそれこそ原始時代、石器時代からずっと日本にいたんです。

天皇制にしても、初代から10代ぐらいまでは実在が怪しまれてはいますが、問題はそこ。

要は「そういう権力者が全くいなかった」という証拠は何一つ見つかっていません。

その名の通りでなくともやはり当時としては抜きんでた権力を持った人がいたのです。

だから皇室開祖も日本国の歴史と同じように、その始めは霧に包まれているほど昔と言っても間違いなさそうです。

そこで辛酉革命説に基づいて紀元前660年になったという説が有力なようです。逆に言えばもっと古かったのかも知れません。

だからどこかの国みたいに「ウン千年の歴史」と言っても、現政権が古来から正当に継承している古代からの国はほとんどないと言っていいでしょう。

日本が特殊なのはよく分からない大昔からずっと万世一系であり、その正体は密林の奥のナゾの帝国どころか、密林の奥にまで浸透している高品質製品を世界に送り出している経済大国で、アジアで今のところ唯一の先進国、そして日本語は日本以外ではほとんど使われていないという変わった文化を持っています。

多分日本人はそういう意味で歴史が古すぎて日本がいつできたなどとあまり考えないし、日本人がどこから来たなどということもあまり考えなかったに違いありません。いまだに学術的には日本人とか日本文化という定義は曖昧です。色々な時代に少しずつ外からやってきたのでしょうが、一番古くからいた民族が元祖日本人と称するのか、天皇家の始まりなのか、よく分かりませんし、今後もそんなに進展しないように思います。

先日、息子に「海幸彦 山幸彦」の絵本を読んであげました。

この山幸彦こそ、初代天皇である神武天皇のおじいさまなのだ、と言うと感心していましたが、そのくらい古いと言うことです。山幸彦、個人的にはなかなか優れた方だと思いましたね。

・いわゆるチャレンジ精神が豊富(わざわざ釣り竿と弓矢を交換してくれなどと兄に頼むくらいですから)

・義理堅い(針をなくしたら自分の剣を溶かして何百本にもして返して謝る辺り、今の日本人と通じます)

・長幼の礼をわきまえる(非道な兄でも兄として、決して逆ギレしないところがいいです)

・チャレンジ精神が豊富な割に思い悩む(これも日本人ぽいですね)

・目的があると突き進む

・イケメン(トヨタマビメが惚れてしまう辺り、やはりイケメンだったのでしょう)

・寛大さ(非道な兄でも許してしまう辺り)

毎年7月4日が来る度におかしな話ですが日本の素晴らしさを再認識させられます。

よく分からないほど古い皇族が拓いた、よく分からないほど古い国の一国民として、精進せねばと思うのでした。

SD100705 碧洲齋