不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

無関心

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100730-00000109-mai-soci

 わずか15平方メートルのワンルーム。近くの美容院やカフェに勤める若者が多く住んでいるという。30日早朝、大阪府警西署員が室内に入った時、玄関やベランダは閉め切られ、熱気と異臭が鼻をついたという。現場と同じ3階住人のフリーターの男性(27)は「自分が仕事から帰る午前3時ごろから明け方まで、毎日のように子どもの泣き声が聞こえた。叫び声のようで尋常ではなかった」と証言した。ベランダには菓子の食べかすなどごみが散乱してハエがたかり、異臭を放っていた。虐待も頭をよぎったという男性は「最近、泣き声が止まっていた。死んでいるのかなとも思ったが、まさか本当とは……」と絶句した。

 マンション住人のデザイナーの男性(26)は「数カ月前から生ごみが腐ったようなにおいがしていた。ベランダに出ると、強烈な刺激臭で驚いた」。約1カ月前までは「うー」という子どものうめき声が聞こえていたという。

 別の住人の女性会社員(27)は「子どもを見たことはないが、今年の冬ぐらいから『痛い』とか『わー』とか泣き声がしていた」と最悪の結末に肩を落とした。

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どうしても理解できません。母親に対してではなく、周囲の住民に対してです。こういう異常な状態であったにもかかわらず、何故無関心でいられたのか。私はこういう時、日本人一人ひとりの危機感のなさに恐れを抱きます。そもそも問題は、周囲に無関心、他人に対して無関心、親や子供に対してすら無関心であることが発端でこのような凄惨な事件が起きているのです。だから周囲でこのような間抜けなコメントをしている連中も事件の被害者/加害者の予備軍です。27歳にもなって、午前3時頃に尋常ではない子供の叫び声が聞こえても何もしなかったというのは驚きです。呆れます。子供のうめき声が聞こえても何もしなかった?おかしいんじゃないですか?他人の痛みに無関心なのですか?たぶんこの人たちは今日も普通に生きているのでしょう。慚愧の念など持ち合わせていないように思います。いや、この人たちにはもしかしたら罪はないのかも知れません。この人たちはそもそも「危機」とか「非常事態」という概念すら持ち合わせていないのではないかと思います。

この国の道徳水準は明らかに低下していると言わざるを得ません。私だって決して高い方ではありませんが、明け方に3日続けて子供の叫び声が聞こえたら真っ先に警察に駆け込みます。うめき声が聞こえたら壁沿いに伝って、ガラスをぶち破ってでも救出に出向きます。私は一児の父親だからそう言えますが、独身時代でもそうできたと断言できます。私はどちらかというと無神経な部類でしたが、それでもこういう異常事態には速やかに対応したと思います。

こういう事が続くと、本気で一度、国を亡国の危機にさらし、国民一人ひとりに「お前には関係ないことか」と糺していきたくなります。

今日は悪夢でも見そうな気分です。

SD100730 碧洲齋