不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

選挙に占拠されている

やはり政治家達の頭の中は基本的には選挙という政治的生存闘争をどう生き延びるかという考えに占拠されているようです。

政権が変わってから「はやぶさ2」の予算が17億円から3千万円に減額されていました。つまり、宇宙開発よりは庶民の生活を守ることを旨としていたはずです。(多分)科学者の皆さんがギリギリの予算と施設で一生懸命に成し遂げた成果は国民の多くから賞賛と敬意の眼で見られました。が、彼らに対して減らした予算を国民の反応を見て増額をするなど、全く以て愚か者のすることです。日本人の多くは菅直人首相の対応には軽蔑したことでしょう。

蓮舫行政刷新相の「仕分け結果を何が何でも守るべきだ、ということではない。国民の様々な声は、次期予算編成に当然反映されるべき」という発言も、私からすれば「はぁ?」です。国民の皆様がアンタたちを選んだのだから、一旦決めたことはとことんやってほしいと思いました。行政刷新相じゃなくて行政殺新相の間違いじゃないのかと思いますね。

実際、その減らした分の使い道は庶民へのばらまき政策でしたが、庶民は政府に文句は言えません。選んだのは庶民なのですから。(ちなみに私は民主党政権は選んでませんが)

時々、日本人の庶民レベルは日本人の政治家よりも賢いのではないかと思います。「なかなかやるな」と思ったのは、子育て支援とか高校無料化とか高速無料化などのばらまき政策で諸手を挙げて喜んだ人が意外に少なく、逆に冷静に見ていた人が多いように見受けられました。日本人の民度の高さ、モラルの高さはすごい勢いで落ちてはいますが、それでもまだ世界的に見ればかなり高いのです。

事業仕分けに関しては、知り合いの官僚でもやはりあれはあった方がよかった、と言っていました。ちょっと信じられないようなとんでもない無駄遣いがかなり存在しているにもかかわらず、なかなか大なたを振るうのはむずかしく、自民党政権ではできないことだったので、その点は評価します。とはいえ、緊急度と重要度をゴッチャにした考えは如何なモノかと思います。

恥ずかしい言動、というのが何か分かっていなければ、歴史の勉強でもしてください。多分得る事が多いと思います。衆生に混じってちょっと仕事をしてみるのもいいでしょう。ロシアの皇帝ピョートル1世みたいに、お忍びで3Kの仕事などもしてみてください。

ゴミ収集の職員の方にはいつも頭が下がります。夏場などは本当に大変だと思いますし、近頃のモラルの低さに疲弊している方もいらっしゃると思います。しかしそれでも私が見てきた諸外国の同業の人たちからすると、日本人のゴミ収集職員の皆様の活躍ぶりは非常に素晴らしいものがあります。

政治家というのは本来、もっともっと臭い物を分別して運搬するような仕事のように思います。清潔に、とか叫ばれているのは本当に取り扱うものが危険物だったり不衛生だったりするからです。本当は誰も近寄りたくありませんが、ゴミが国から溢れかえることの不利益を慮って立ち上がる、立派な人たちのはずです。そういう意気込みと決意と信念で今の政治家達が行動しているのか、私は疑問に思うことしばしばです。

と徒然なるままに政治家の皆様に不満をぶつけてしまいました。

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初代ロシア皇帝 ピョートル一世。

SD100616 碧洲齋