不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

水子のこと

妊娠ばれるので病院行かず~2乳児遺棄の女

4月1日15時31分配信 日本テレビ

 大阪市西淀川区で、ベランダに置かれたプランターの中に乳児の遺体を埋めたとして逮捕された女が、「病院に行ったら妊娠がばれるので行かなかった」と話していることがわかった。女は1日、送検された。

 この事件は、死体遺棄の疑いで逮捕された大阪市西淀川区の無職・佐久真久仁子容疑者(37)の自宅のベランダに置いてあったプランターから2人の乳児の遺体が相次いで見つかったもので、佐久真容疑者は、2人を産んで埋めたことを認める供述をしている。

 その後の警察の調べに対し、佐久真容疑者は「病院に行くと妊娠していることがばれるので行かなかった」と話していることがわかった。佐久真容疑者には借金があり、「交際相手の子供を妊娠したことが家族に知られたら家にいられなくなり、行くところがなくなると思った」などと話しているという。

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江戸時代、士族以下の庶民の間では生まれてきた子供が多すぎた場合「間引き」といって、産湯で溺死させたり、首の骨を折るなどしてその場で殺したそうです。当然、当時は避妊のノウハウなどあろうはずもありません。水子という言葉があります。死産したケースも多かったのでしょうが、どうしても養えずに水に漬けて殺してしまった子供のことなのかなとも思います。(諸説あり) ご存じのように供養のためにお地蔵さんが全国各地、津々浦々に祭られていることはよく知られているところです。昔の人の心のあり方が偲ばれます。

翻って現代では確固たる避妊の技術や道具が揃っています。

にもかかわらず、このような快楽のみに身を堕とした、餓鬼道、畜生道にも悖(もと)る人間がいることに、深い悲しみと怒りを感じます。(毎回そんなこと言ってますね)

同じ人間としておぞましくも思います。

命を知らないのか、命が見えないからなのか。

糺してみたいですね。(もし目の前にこの女がいたら・・・いやいや妄想はやめましょう、アドレナリンの分泌が上がるだけです)

しかし私は彼女を責めるよりも、餓鬼、畜生を生み出した環境に恐れを抱きます。

そういうことが日常的にニュースに上る現代を憂います。

憂いたところで何が出来るわけではありませんが・・・

取り敢えず毎日真摯に仏に祈り、自分の子供や弟子に対して正しい道を指し示すだけです。

いや、一緒に探すという方が正しいでしょう。指し示せるほどデキた人間ではありませんから。

このような時季、哀しいほど美しく花開いた桜が何を言いたいのか、私には難解難答の公案のようにも、皮肉のようにも感じられます。

SD100401 碧洲齋