不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

建長寺坐禅会

土曜日は初めて、鎌倉にある建長寺坐禅会に参加しました。昼少し前に鎌倉に着き、前のブログでも書いたように1人であちこち観光。一人旅は日帰りでもいいですねぇ。久しぶりな気がします。

鶴岡八幡宮を出て、一路建長寺へ。

先に所用があったので、一旦建長寺を過ぎて縁切り寺として知られる東慶寺に行きました。

東慶寺には豊臣秀吉の娘、奈阿姫、後の天秀尼が中興の祖として知られていますが、何を隠そう、彼女を死ぬまで陰で支えていたのが「のぼうの城」でも出てきた、忍城城主、成田氏長の娘、甲斐姫でした。どうしても詣でたかった。結局よく分からないまま時間が過ぎ、なにげに撮影した中にたまたま写っていましたが、次回はちゃんと参拝したいと思います。

建長寺に戻ると、いい感じに日が傾いてきました。三門をくぐってからふと右、僧堂の方から茶色い袈裟を着た老師が歩いてきました。もしや建長寺管長、吉田老師か?と思いましたが、こんなところを一人ですたすた歩いているわけもないかと思い、そのまま龍王殿に。後で分かりましたが、やっぱり吉田管長でした(苦笑)。惜しいことをした。

龍王殿をぐるりと一周。北側に庭があります。境内の景色という点では半僧坊を除くと円覚寺の方が美観かも知れません。

16時半ぐらいには来ているように、と言われていましたが、その前後になると常連と思われる方々がササッと来て単布団と経典を取り出し、にわかに坐り始めたので私も即、後に続きました。龍王殿結構広いです。私は南東側隅に坐りました。

常連の方々のうち、半数以上が場所を確保しただけで始めません。ならば私だけでもと坐り始めましたが、そのうちどやどやと人が入ってきて、広い龍王殿がけっこう一杯になってきました。見たところ観光客7割ぐらい。そのうち吉田管長がいらっしゃいました。やはりさっきの方でした、無念。思ったよりも若いと感じましたが、その歩き方で「コイツはできるっ!」というのが素直な感想。巡警中も一度だけ警策を受けましたが、歩き方を見て唸りました。畳と足がスッと一体化している、ピタリと床と息が合っている、うまく言えないのですが、そんな感じです。それは歩き方が早くても遅くてもそんな感じなので、深く感銘を受けた次第。

管長様から坐禅について簡単な説明を受けてから開始。やはり宗禅老師の師匠だけあって、話し方というか感じが似ているような気がしました。

人数が多いので、いつぞや都内のどこかの坐禅会のように、1柱目からペシペシと巡警が始まりました(笑)。まあ、たぶんそうだろうなとは思っていましたけど。人数が多いので、管長様以下3人ぐらいでやっていたようです。管長の警策を受けました。坐禅会に出ている人には少々弱い感じでしたが、やはり打ち方がとてもよく、広い面積にまんべんなく、軽いのにずしりと打たれる感じがします。常連の方も2.3回受けてました・・・。これって何度も受けていいんでしょうか。長徳寺では2柱目に一人概ね1回でしたが。

観光客が多かったので、やはり坐り慣れていないんでしょうね。そわそわする人がかなりいました。仕方ありません。

1柱が長い・・・? 計ってないので分かりませんが、40分は間違いなくあったと思います。45分ぐらい?さすがに1時間以上も坐り、周囲がペシペシとうるさいのでやや集中力が途切れかけてくると、やっと終了。あ、坐るのは1柱だけのようでした。これはよく坐っている人でないとちょっとツラい長さかもしれませんね。

その後、吉田管長の提唱。お付きの雲水さんが「吉田管長猊下の提唱がございますので、皆さん、管長の周囲にお集まりください」って言ったとき、ちょっと感激しました。管長猊下だぜ。提唱はタイトルは忘れましたが修行の心得について。予めプリントも頂きましたが、漢文の羅列。これ、観光客の方には分からないんじゃないですか(苦笑)。どこからとはおっしゃらなかったので、即、目で探して分かりましたが、知らない人にはちょっと大変だったかも。

修行の話しです。思い当たることがたくさんありました。また、エゴを持たぬ事、周囲に気を配り、慈悲や思いやりを持つことが自我を消し去る最良の方法とか、恐ろしくシンプルな話しにとても深いことを詰め込んでいたような話しです。私の場合、大有老師、宗禅老師から提唱を受け、ここで初めて結論を見いだせたような、そんな感じです。話しはシンプルでしたが、いざ書こうと思うとなかなか書けません。こういう感覚は初めてです。

最後に四弘誓願文を三回読んで終了。参加者は三々五々で退散し始めました。管長もたまたま同じ方向に歩いていらっしゃいました。周囲の方は畏れ多くて話しかける人がいなかったのを幸いに、ダーーーーーーーーーーーーッと詰め寄って、挨拶を致しました(笑)。極簡単にでしたが。まさかこんなチャンスがあるとは全く思っていなかったので、なにも考えていなかった。一応、草加から来たことと、長徳寺と霊樹院で坐らせていただいております、と話しました。管長様はぜひまた来てね、とおっしゃったので、「必ず参ります!」と言いました。

来月、建長寺で宿泊坐禅会がありますが、初めて参加してみようと思います。

平成二十五年皐月二十日

不動庵 碧洲齋