不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

受身について

受身とは文字通り相手の技を受けたときに衝撃を和らげるための技術です。
スポーツ格闘技、現代武道、古武道問わず、武器だけの流儀ではない限り大抵あると思います。

私が所属する武神館にももちろん受身はありますが、もしかしたら他流に較べるとその種類は多いかも知れません。
そして受身は相手の技を受けたときに用いる為だけではなく、武技の一端として用いたり、素速く移動するための手段としても用いられます。

そういうことで受身の移動速度はかなり早いです。熟練者だと小走りするぐらいの速さがある上に方向転換や障害物回避能力や機動力も多分二本脚よりは優れていると思います。
門内の武友にはそれこそネコのように俊敏に受身をする人もいます。私もそれ程下手ではないはずですが、そういう上手い人にはただただため息が出ます。

受身をすると三半規管が鍛えられると言います。つまり顔面を殴られても打たれ強いそうです。私は顔面を殴られたことは幸いあまりありませんが(笑)

私は稽古時にどんな技を掛けられても必ず受身ですぐに反撃できる態勢にまで持ってこられるよう弟子たちに指南しています。これができないと本物の戦闘には適さないと考えます。

受身の稽古は実に多彩です(少なくとも私の道場では)。
普通の受身だけでも10種類前後あり、レベルが上がると刀や杖を手にしたまま受身をしますし、更に棒や鎗、薙刀など長モノを持って受身もします。
もちろんただ武器を持って受身をするのではなく受身をしながら相手の脚を切りつけたりもします。
更にレベルが上がると障害物を避けたり。私は山籠もりしたときなどは六尺棒を持って山の緩い傾斜を受身しながら走ったこともあります。もちろん樹木が生えていますので上手く受身をしないと棒がつっかえてしまいます。
受身をする環境も初めこそ畳の上ですがそのうち床、砂利、アスファルト、氷上と色々な場所で行います。山で行うこともあるでしょう。
要するに「畳の上の兵法」ではないことが重要です。

令和五年弥生二十九日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

先日逗留した禅寺の石庭

武神館 不動庵道場
【日時】2022年1月8日土曜日、14:00-16:00
【場所】谷塚上町会館:草加市谷塚上町225-1
【アクセス】東武スカイツリー線 竹ノ塚駅西口
東武バス 竹04/竹05にて約10分、又は竹06にて約15分。
バス停「谷塚上町」降りてすぐ。
駐車場あり。
入門希望者・興味ある方はご連絡ください。