不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

松本零士先生

昨日の松本零士先生病没のニュースは衝撃的でした。今朝もですが時々泣きそうな気分になります(歳取ると涙もろくなりますね)
そういえば昨年だったかイタリアを訪問されていたときに体調を崩したという事で少し気にはしていました。
ニュースになったのは昨日20日でしたが、他界されたのは丁度一週間前の13日でした。

私は多分、「宇宙戦艦ヤマト」初回放送をナマで見たほとんど最後の世代だと思います。放送時5歳でした。ガミラス本星攻撃時、ガミラス人たちが何故侵略をしていたのか分かり、ヤマトですら絶対的な善ではなかったと知ったときは衝撃的でした。「人類滅亡まであと○○日」というのも何か恐ろしい気がしていました。
以後シリーズ化したときも欠かさず観ていました。

その数年後は「銀河鉄道999」、鉄道が宇宙を走るという斬新なアイデアに驚きましたが、子供ながらにメーテルの美しさには憧れましたね。「青春の永遠の幻影」と言われるに相応しい美しさだと思います。
「銀河鉄道999」の話は現代を風刺したものが多く、限りある命の方が正しいとしながらも、作中には悪どい生身の人間がいたかと思うと、優しくて慈悲深い機械化人もいたりとなかなか考えさせられる内容のものが多かった気がします。今観ても十分社会風刺が効いてますね。(そしてその風刺が実際、現代ではそうなりつつあることに恐れを抱きます)

思春期に一番影響を受けたのは「キャプテン・ハーロック」でした。丁度小学校高学年から中学校を卒業するまで断続的にいじめに遭っていましたが、何とか耐え忍んだだけではなく、逆境にあって自らを鍛えたり、いじめられていてもふてくされたり、やけになったり、義に悖るようなことをしなかったのは全く以てこの「ハーロック」の生き方を手本にしていたからだと思います。

松本零士先生の作品からは人生で必要なことの多くを学んだ気がします。
まだまだ元気にマンガを書いていただきたかった。
他の多くの人が言っているように、きっと今頃は宇宙を駆け巡る銀河鉄道の列車の中でマンガを描かれていると信じます。

心より慎んでご冥福をお祈りします。
これからも終わりなき銀河鉄道の旅をお楽しみください。


令和五年如月二十一日
不動庵 碧洲齋