不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

睦月二十四日稽古所感

遅まきながら昨日が今年最初の不動庵道場の稽古でした。
かなり強い風である上に気温もかなり寒い中、K君はやってきました。
訥々と静かに話す性格ですが、そのような行動から強い意志が感じられます。

道場の町内会会館もキンキンに冷えていましたが稽古前に暖房を入れて稽古がしやすい温度にしました。エアコン代込みでも結構利用料金が安いのが助かります。
例によってまず坐禅を10分行いました。昨夜は風がかなり強い上に気温も低かったのでエアコンを点けたままで坐りましたが、いつもより大きな騒音が周囲でします。それを「うるさい」と感じるのは「私」が「騒音」をうるさく感じるからで、この相対的関係をどのように捉えるかで騒音に対する扱いも変えることができる、と禅問答みたいな話をしました(笑)

その後、受身を6-7種類ほど軽行いました。
少しは体に染みついてきたのか、割と様になってきたのが嬉しく感じられます。
当流では受身は技を受けるときのみならず、移動手段、攻撃手段としても用いられることもあり、技を受ける時だけでなく、任意の方位、距離のところにきちっと受身で移動できるようにならねばなりませんからこれができるようになるまでが一苦労です。さらに大小さまざまな武器を手にしながらとか、受身をしながら拾ったりとか。慣れると楽しいのですけどね。

次に体練、これは不動庵道場独自の体術の稽古方法ですが、老人介護をしているK君はさすがに体幹センスがよく、ブレがほとんどない。動きは単純でも安定した動きをするのはなかなか大変です。

次に五行の型。これは毎回少しずつやり、体で覚えていくしかないですね。私もそうでした。もう何万回やったことでしょうか。基本中の基本の動きですから生涯に亘って稽古していって欲しいところです。これは年末に頼まれて動画を撮影して、自宅で稽古していたようです。

次に基本八法の中から構え3つと技2つ。これも去年からしつこいぐらいに行っていますが、基本八法もまた基礎中の基礎ですから早く覚えてもらいたいものです。

受身の稽古は畳部屋で行っていますが、技の稽古は床の上で行います。私は床の上でも受身ができますが、まだK君には難しく。これが床の上でも受身が自在にできるようになればまずまずの上達ぶりという証拠になると思いますが、急がず慌てず、ゆっくりと技や動きの精度を上げていって欲しいと思います。

稽古中いつも言うのは、まず最初は動作が遅くても良いので質の高い技を心掛けること。精度、間合、拍、これらの質を上げてからの速度といつも言っています。理由は簡単で、速度と力は短時間で数値を上げることができる半面、この2つの要素は年齢と共に確実に低減してしまいますが、精度、間合、拍に関しては死ぬ直前まで精度を上げることができる半面、急激には良くならないため、たゆまぬ努力が必要になるからです。つまり武芸者として生涯を全うしたいのであれば極力、力と速さに依存しない技法体系にすべきだというのが私の考えです。ちなみに力、速さ、精度、間合、リズムの5要素を上げたのは私ではなくブルース・リーです。「魂の武器」に書かれています。

まだまだ修行の道は長いですが、一番重要なのは楽しみながら行うこと、これが継続して行える最も重要な要件だと思います。

令和五年睦月二十五日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

胴着用に買った匂い袋、香りもデザインも気に入っています

武神館 不動庵道場
【日時】2022年1月8日土曜日、14:00-16:00
【場所】谷塚上町会館:草加市谷塚上町225-1
【アクセス】東武スカイツリー線 竹ノ塚駅西口
東武バス 竹04/竹05にて約10分、又は竹06にて約15分。
バス停「谷塚上町」降りてすぐ。
駐車場あり。
入門希望者・興味ある方はご連絡ください。