不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

霜月十九日稽古所感

とうとうもう1人が来なくなったので、結局またマンツーマンの稽古になってしまったが、そもそも継続する人の方が圧倒的に少ないので致し方なし(笑) 確かにもうちょっと人がいればなとは思うが。

通常通り最初に10分ほどの坐禅。たかが10分、されど10分、この間に己をリセットしてどれだけ稽古の内容がすっと入ってくるようになるかどうかが肝要と考えている。

次に受身。当流においては受身も立派な技の一部のため、ここは抜かりなくやるところだが、丁寧にやると終わらなくなるので当日は前回りと後ろ回りの2点だけにした。左右均等にできるというのが理想だが、なかなかそれができない(笑) 受身は自在にできるようになるまで今後も重点的に稽古する。

体変術基礎の動き。初めは単独で。体のほぼ全ての可動部分を有機的に稼働させて最後には如何にその慣性力を拳先に集約できるかが課題。次に組み手で。加圧させながら相手の拳先を受けるが、相手がどれだけ正しい動きをしているのかが分かる。弟子のKくん、意外に悪くないので驚く。
この鍛錬では体幹のコントロールがしっかりしていないと真っ直ぐに突くことができないようになっている。Kくんは老人介護施設勤務なので体の遣い方が良いのかも知れない。

次に五行の型、地の型のみ。こちらも悪くない。先日師匠の動きにインスパイアされて少しフォームを変えてみた。今後の課題でもある。

最後は動きを起こす前の備えの鍛錬。自分の動きを見えない動き、感じられない動き、気付かない動きにするには動く前の万全の備えが肝要。
稽古自体はごく簡単な崩しからの軽い投げ技だが、どこでどう崩されたのか、このメカニズムをよく理解させて、無意識にそれが備わるようにしてほしいところ。動かして崩すのではなく、崩してから動かす。打撃を与えてから崩すのではなく、崩れてから打撃を加える、最小限の動きで最大限の効果を狙う場合はこのような考え方が肝要かと思う。Kくんはまだまだ何がどう崩れたのか見極められないようだが、この観察力の錬磨も重要と考える。

床がフローリングなので私はともかく弟子には受身が難しく。人数が集まればマットを買うところなのだが、まだまだそれは贅沢な備品。逆に言えば固い床でも自在に受身ができればベターなのだがそれはさすがに酷か。

次の稽古は明日なので体が覚えている内に鍛練が重ねられることは良いことだと思う。

それと弟子の数が少ない内は時間をかけて稽古を付けられるという特性上、知らず知らずのうちに相手にかなり高い完成度を求めてしまいがち。私は基本やっていることに楽しみや興味を感じて欲しいと思っているので、その当たりは今少しユルくすべきだと反省している。

令和四年霜月二十一日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

武神館 不動庵道場
【日時】2022年1月8日土曜日、14:00-16:00
【場所】谷塚上町会館:草加市谷塚上町231-1
【アクセス】東武スカイツリー線 竹ノ塚駅西口
東武バス 竹04/竹05にて約10分、又は竹06にて約15分。
バス停「谷塚上町」降りてすぐ。
駐車場あり。
入門希望者・興味ある方はご連絡ください。