不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ギリシャ見聞録 2

ギリシャとギリシャ人について。
ギリシャ自体は言うまでもなく日本よりも遥かに古い文明です。
これがちょっと悔しい(笑) 「紀元前数世紀前の遺跡」がその辺にゴロゴロしていますし(本当に街中あちこちに散在してます)、場合によっては触れたりできます。というか発掘が終わった遺跡などはコンサートに使われることもあるようです。さすがギリシャです。

テサロニキのど真ん中にあるローマ皇帝ガレリウス帝の館跡、丁度コンサートの準備をしていました。



しかもこれが大変素晴らしい状態だったりして、今でも使えそうなものもあったりします。石の文化ならではですかね。日本も優に2000年は越える文明を持ってますがいかんせん木の文化故にギリシャのような遺跡はほとんどなく、日本人としては若干嫉妬を覚えます(笑)
後ほど紹介しますが、古代ギリシャは各都市ごとで繁栄しており、それらは「ポリス」と呼ばれていたことは学校で学んだとおりです。現在は普通の田舎だったりしているところに当時の栄華を偲ばせる巨大建築の残骸があったりします。今回はテサロニキから西南西に50キロのところにあるヴェルギナという小さな町に行きましたが、なんとそこはかのアレキサンダー大王の生まれ育った故郷で、当時の宮殿や大王の親の墳墓があります。墳墓は盗掘に遭ってないので埋葬品が完璧に残っていました。それがなかったら本当に普通の小さな田舎町です。
そんな感じの遺跡が国内各所に残っており、壮麗だったギリシャ文明の一端を知ることができます。

 

ギリシャ人は・・・これまた美人が多い(笑) 一番気に入ったのはあまり濃い化粧をしないこと(笑) ナチュラルメイクが多かったように思います。この辺は日本とよく似てます。ナチュラルメイクが多くて美人です。あと男女でやたらイチャつかないこと。この辺はロシアに似てますね。行ったことはないですが隣国イタリアの男女仲よりも慎ましやかな気がします。
健康体が多い。肥満が少ないです。日本よりは若干多いかも知れないというレベルですが、例えばロシアやアメリカに較べたら皆ほっそりしている人の割合が圧倒的に多い。多分食べ物のせいだと思います。ギリシャ人はよく魚も食べます。日本でおなじみの小魚やいかの唐揚げも普通に食べます。
ギリシャ人は私たちがバックグラウンドを知っているからなのかどうか分りませんが、神秘的な雰囲気を持つ人が多いように思います。待ちを散歩している普通のおじいさんでもプラトンかソクラテスの親戚っぽく見えたりします、いや本当に(笑) つまり品のある人が多いという事です。女性でもなにげに神秘的な感じがする美人が多いですね。あまり濃い化粧をしていないので余計好感が持てます。
そして何より嬉しいのは40代から下の世代はほぼ完璧に英語を理解すること。中学生ぐらいの子供でも普通の会話ができるレベルです。日本とは大違いです。50代以上でも英語を理解する人は少なくないそうです。
あと街中には野良犬と野良猫が結構います(笑) ギリシャ政府は数年前から捕獲したりしてコントロールを開始し始めたとのことですが、全然多いですね。ワンちゃんなんか大型犬などもいて、ホントに野良犬なのかと思ってしまうほど。ただしほぼ全ての犬は大人しくて人なつこい。吠えられませんし触っても大人しい。必ず誰かがエサをあげているようです。
レストランの外の席で食事を取っているとネコさんたちが数匹寄ってきます。触らせてもらえるネコさんもそうでないのもいますが、凶暴なのはいません。というか外の椅子の上で普通に寝ているネコもいます(笑) ギリシャ人は優しいんでしょうかね。
あまり強く主張しないところがいいですね。

食事をしていると現れるネコさんたち

と、誉めてから言うのも何ですが、ギリシャ人ゴミ捨て過ぎ(笑) アゴラとか朝行くとごみが散乱している。道端とかにもごみが多い。う~ん、何でだろ。そこだけが気になりました。

アテネは分りませんが、テサロニキはとにかく駐車場が慢性的に不足しています。道という道、ありとあらゆる道には路上駐車している車があり、警察は取り締まっていません。多分できないんでしょう。場所によっては二重縦列駐車していたりしますがもう開いた口が塞がらないほど凄まじいです。普通は地下駐車場という事なんでしょうけど、このテサロニキ自体が遺跡の上に立っているので下手に掘って凄い遺跡が出てきたら何ヶ月とか何年も工事がストップします。実際、現在地下鉄を建設中ですが数百メートル掘るたびに遺跡が出てくるので遅々として進んでいません。3年前と較べて大して進んでいない感じがします(笑)

ギリシャでは実はマニュアル車が占める割合がかなり多い。60台ほどの乗用車をカウントしましたが、驚くことにその中でオートマ車だったのはわずかに2台、ホントです。バリバリの新車でもマニュアルなんです(笑) 友人はギリシャ人は貧乏だから何て言ってましたがイヤイヤ今時はマニュアル車の方が高く付きそうです。多分哲学的なものなんでしょうかね。機械を信用しない、みたいな。実際、ぶったまげたものがあります。それはエレベーター。一般集合住宅のエレベーターにはなんと「内ドアがないっ!」もう一度言います「内側のドアがない!」。だからエレベーターが上がると壁がガーッと下がるので気を付けねばなりません。しかもエレベータの外ドアも横に引き戸になっておらず手前に開くタイプが多く、しかも手動、部屋のドアと同じく自分の手で開かねばなりません。ホテルにはさすがに内ドアはありましたがそれでも折り畳み式の開き方をするという、凝った作りです。これもギリシャ人の哲学なのか・・・。分からん。

ホテルのエレベーター、これ、ドアみたいに開いて乗るのです。

テサロニキの雰囲気ですが平和です。夜で歩いてもあまり危険な感じはしません。友人に尋ねても基本安全だとのこと。まあ、窃盗とかそのくらいはあるのでしょうが、危険な雰囲気の場所はなかったです。ちなみにアテネはもっと危険だそうです。それは分かります。

一度友人たちと夜、ローマ時代の古城に行きました。ライトアップされていて大変素晴らしかった。
市民たちも涼みに来ていましたが、若者が多かった。せっかくなのでよく観察しました。
ギリシャの若者は意外にみんな真面目です。あまりに奇天烈な格好をしている人はいませんでした。普通に若者のファッションです。カップルもいましたが夜であってもあまりいちゃついたりせず、何か語り合ってました。
と言うか1人で世界に没頭している若者も結構いましたし(笑)
せいぜいタバコを吸っているぐらいで大声を出したり酒を飲んだり、周囲に迷惑をかけている人は1人もいませんでした。
日本のティーンだってこれだけ集まったらもっとうるさい気がしますが。
グループの若者の1人がすれ違いざまに「ギリシャにようこそ!」って英語で言ってくれました。
よく考えたらテサロニキでは私以外のアジア人を全く見かけませんでした、ホントです(笑)

いい雰囲気の古城

古城は丘の上にあって街全体を見渡せるようになっている

 

テサロニキで一番有名な遺跡、ガレリウスの凱旋門。1700年ぐらい前のローマ皇帝が作った門




ま、ロシアの地方都市に行ったときもアジア人は私だけでしたので慣れてますが、ここでもアジア人だからと言って特に変な眼で見られたり差別されるというのはないようです。ギリシャもロシアもこの点は素晴らしいですね。

 

令和四年長月二十八日
不動庵 碧洲齋