不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ギリシャ見聞録 1

ギリシャを漢字にすると希臘です。略せば希国ですから何となくいい感じがします(笑)
ギリシャという国は世界史を学んだことがなくともある程度知られている国ですし、ギリシャ神話が好きな人にとってもなかなか人気がある国ですが、実際行ったことがある人はそれほど多くなさそうです。
そんなこともあり、9月17日から25日までの希国見聞録をしたためたいと思います。

私が行ったのは有名な首都アテネではなく、ギリシャ第2の都市テサロニキです。アテネに行ったことがある人はそれなりにいると思いますが、テサロニキに行ったことがある人は少ないでしょうね。
第2の都市というと日本ではさしずめ神奈川ですが(残念ながらここ数年は大阪よりも神奈川の方が人口は多いのです)、そもそもギリシャの人口は日本の1/10ですから、第2の都市もそんな感じです。

テサロニキと言うと有名なのが新約聖書の一節「テサロニケ人への手紙」でしょうか。イエス・キリストの死後、パウロを始めとする多くの信徒たちがローマ目指して布教の旅をしていましたが、このテサロニキもまた、当時も大都市であったため、キリスト教徒たちは懸命に布教したに違いありません。私が滞在したホテルのすぐ近くにローマ時代のアゴラ(広場)遺跡がありますが、きっとそこでもキリスト教の布教が行われたのだと思います。

紀元前200年頃から数百年使われたアゴラ(広場)。発掘されているのはごく一部で周囲にはまだアゴラの遺跡が続いている。

今回は羽田空港から出発してトルコ・イスタンブール空港で乗換え、テサロニキまで行きました。
羽田空港も先月の成田空港同様に大半の店が閉店していたか営業時間を繰り上げていて、開いている店がほぼありませんでした。仕方ないので少し戻ってからコンビニで軽く食べました。ま、今後は通常営業になるんでしょうけどね。

先月の成田空港同様、羽田空港の店も閉店している店が多かった。



羽田空港出発は22:05で12時間ものフライトでした。さすがに10時間超えのフライトは初めてでした。機体はボーイング777-300、ここ最近はほとんど787ばかり乗っていたのでたまには違う機種もいいでしょう。別段不満はありませんでしたが、やはり787の性能は優れているなと感じます。787の方が乗り心地もいいしエンジン音もやや低い。

今回追加料金で事前に座席を決められたので最後尾の方に席を取りました。往路は最後尾から2列目、復路は本当に最後尾に座りました。最後尾は機体が細くなっている関係で外側は2座席ながら通路は通常の2倍近い幅で大変快適でした。更にトイレがすぐ近くで、しかもギャレーも近いので気軽に飲み物も頼めます。長距離の場合は3000円の追加料金を払う価値は十分あります。

ま、強いて言えばやはりJALって特別に優れているんだなと思います。JALのCAさんたちはこまめに巡回して客の様子を見て回るだけではなく、どんな小さなゴミでもフロアに見かけたらソッコー拾います。逆にこちらが見ていてもっと休んでくださいと言いたくなるほど。

それに較べると他の大半の航空会社の飛行機はそれなりにフロアにゴミが落ちている(笑) ま、別にいいんですけど。あと日本人旅行者の皆様、久々の海外旅行の人が多いと思うのですが、はやる気持ちは抑えて降機の際は座席周りを整えてからお願いします。今回は日本人としてちょっと悲しくなるぐらい座席が散乱してました。これは普通に日本人として恥です。日本人としてもっと気高くなりましょう。

往路は困りました。隣に座った乗客はなんと10歳の日本人の女の子でした。イギリスに知人がいるとかで単独旅行でした。今まで3回も親とイギリスに行ったことはあるようでしたが、単独は初めてだったとか。口数も少なくそれ程親身になりませんでしたが、出発時間がお子様は寝るような時間だったので飛行機が水平飛行になると食事もそこそこに寝てしまい、追加で枕や毛布を取ってあげたり、機内食がこぼれないようにしたりと親みたいに世話をしました(笑)

私も食事以外の時間は大方寝ていました。コロナ前まではソニーのウォークマンを持参して音楽を聴いていましたが、今回はとうとうそれが壊れたのでスマホ。しかしながらやはりノイズキャンセリングの性能は偉大です。あれを使うとエンジン音がほぼ聞こえなくなりますが、普通のイヤフォンだとエンジン音はやはり聞こえます。ただ私は日頃イヤフォンを使って音楽は聴かないのでコスパ的に買うかどうかは微妙です。機内エンターテインメントも時節柄経費節減のためか先月の豪州旅行同様に映画の種類もつまらなく、なんだったか一つ観ただけでした。

景気が良さそうなイスタンブール空港

今回、思いきって買ったのはモバイルルーターです。海外旅行の際にはレンタルでもモバイルルーターは利用できますが、今回私が買ったのはプリペイド式のものです。モバイルルーター本体は19800円です。そして国内外共用で、国内だと1GB1ヶ月で500円、海外ですと国によって違いますが1GB1週間で800-1200円ぐらいです。レンタルだと1日大体1000-1200円ぐらいですから10日間だったら1万円以上になります。プリペイドなら初期投資こそかかりますが、以後は使う分だけ購入できます。ちなみに私は今回の滞在中2GB2000円分買いました。これはかなり安いと言わねばなりません。特に年に複数回海外に行く方、あるいは複数人で行く人はレンタルよりもコスパが高いのでお勧めです。

Trip Wifi https://tripwifi.jp

航路について、いや、微妙でした(笑) 中国のど真ん中を飛んだのですが、何故か真っ直ぐではなくて時々奇妙な進路変更をしたりしてました。中国の後は中央アジア諸国を飛び、ギリギリロシア領空を避けてました。全体的に揺れが大きかったですね。知っての通りトルコは黒海にも面しています。ちなみにトルコはロシアとは比較的良好な関係を保っていますが、さすがに今回の航路はトルコ沿岸を飛んでいました(笑) 黒海北側は真っ暗でしたが、今なお戦争が行われているんだなと思うと不気味でした。同時に哀しい気持ちにもなりました。乗客の皆様も似たような心情を共有していたと思います。イスタンブール空港の誘導灯が見えたときはホントにホッとしました。

イスタンブール空港に着いたのは現地時間の朝5時、若干眠かったのですが(日本時間では11時)初めて来た空港という事もあり色々見て回ってからトランジットに行き乗換のゲートまで行きました。実際乗換えゲートはかなり後にならないと分らないのですが、トランジットゲートのすぐ後に大きなショッピングモールがあるので、ゲートが分らずとも先に安全検査を済ませば時間は潰せます。空港はまだ新しくきれいでした。場所柄イスラム教徒が多かったのですが、ロシア人も少なからずいました。帰路にはもっと多くのロシア人がいました。もちろん動員を避けるためでしょう。ロシア人の富裕層って失礼ないい方になりますがどこか下品な感じがします。絵に描いたような成金というのでしょうか。ロシア国内でも多く見ました。

イスタンブール空港からテサロニキは1時間程度です。食事も出ましたがゆっくり食べるという感じではありません。個人的には飲み物だけにすればよいと思うのですが(笑)
着陸したのはテッサロニキ・マケドニア国際空港という立派な名前ではありますが、設備の規模は日本で言えば茨城空港ぐらいでしょうか。じつはボーディングブリッジもありません。いや、こういう機会も少なくなってきているので私は好きなんですけど。ただ前回行ったときよりも規模が大きくなっているので今後はボーディングブリッジも設置されるのかも知れません。なお左舷の眼下にはかのオリュンポス山がよく見えます。1時間程度のフライトなら左舷の窓際がお勧め。晴れていればオリュンポス山とテサロニキの街が着陸前によく見えます。

テッサロニキ・マケドニア国際空港にて友人と無事に会うことができました。

令和四年長月二十八日
不動庵 碧洲齋