不動庵 碧眼録

日々想うままに徒然と綴っております。

日本国紀

昨日、百田尚樹さんの「日本国紀」をようやく読み終えました。
以下所感です。

やはり扱っているものが扱っているものだけに、1人でまとめ上げるのはチト荷が重かったのでは?新版はずいぶん修正されたところが多いと聞きますが、それでも私がそれ程詳しくない時代などでも「ん?」というのが何カ所もあった気がします。あるいはたくさんある説の中でも有力なものではなくて個人的な好みで選んでいたり。
故に個人的な希望的願望が結構出てきてバイアスがかかり過ぎている気もします。

世界的に歴史の古い国の歴史の教科書は、古い時代ほど簡潔に、新しい時代ほど詳細に記述するそうです(すみません実際にはイギリスの教科書しか見たことがありませんが、他の古い歴史を持つ国の教科書については伝聞です)。
新しい時代ほど我々に直接関係してくるためです。日本の学校教育の場合は・・・明治時代以降がずいぶん端折られていたり、ボカして書かれたりしていることがあまりに多い(笑) なのでこの日本国紀の配分量(上巻が江戸時代まで、下巻が明治時代以降)は国際的である意味正しい。
百田さんが糾弾・非難している対象とその内容には全く同意しますが、ちょっと極端な気もします。

また「日本人は愛国心を失った」とか言われますが、う~ん、アメリカ人も日本人が思っているほど愛国心ないですよ。ハリウッド映画の観すぎです。この辺り、日本人はアメリカ人をよく知っていると思われがちですが、たぶん分かっていません。もちろん、アメリカ人も日本人を理解してませんが、まあ、それに関してはあちらは自覚があるように思います。
考えてみてください、本当に愛国心があったら100万人近くがコロナで亡くなっている現状を本気で憂慮して、各自で可能な限り公共衛生習慣を励行して国民が互いに思い遣って国家への損害を阻止しようと思うでしょう。
アメリカ人の愛国心は口先が多い気がします(もちろん本物の愛国者もいるとは思いますが)。1人ひとりが強がりをして自分が強いこと、あるいはカッコいいことをアピールすることの方をより重要視してます。マスクをしない人が多いのはそういう心理が働いているからだと考えます。特に白人男性にその傾向が強いと言われてます。
愛国心だけ全体主義国家主義民族主義、あるいは軍国主義のような感じで持てというのはおかしな話で、私が考える普遍的な愛国心というものは、せいぜい欧州諸国市民が持っているようなものだと私は理解しています。あくまで私の感覚ですが。
愛国心というのか祖国愛というのは本来穏やかなものであって欲しいところ。そういう意味では日本に散々ケチを付けながら海外移住をする人が極端に少ない日本人は遺伝子レベル、潜在意識的に愛国心が強いと言えます(笑) まさにそれこそが他国の政治家たちが嫉妬し、ノドから手が出るほど欲しがっているものです。

話が逸れました。
色々「日本国紀」について非難がましいことを書いてしまいましたが、ズバリ評価としては「ギリ読むに値する歴史書籍」だと思います。やはり分厚いながら2冊にまとめられている日本史で、近代については下巻全部を費やしており、しかも分かりやすく書かれています。またこれは学校の教科書ではありませんから、著者の指向性がある程度入っていても全く問題はありませんし、百田氏が学校教科書ではなかなか書けない部分に深く斬り込んでいる内容であることは紛れもない事実です。ここまでの本はあまり見かけませんので買って読む価値は十分にあります。もう一度ぐらいは読んでもいいかなとは思います。
ただやはり百田さんの思想が私がモットーとしているものよりも少々偏向的というか極端すぎるきらいがあるのが少々残念ではあります。

以上が私の「日本国紀」の感想でした。

令和四年如月二十一日
不動庵 碧洲齋

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