不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

坐禅

座禅会には大抵、暖かくなってくる頃に新規参加者がやって来ます。
雨後の竹の子のようなイメージでしょうか。
私が通っている寺にはあえて(だと思いますが)ホームページもなく、よく探さないと分からない程度の座禅会ですが、寺の規模自体は大きく、準本山級で老師以下僧侶は常に5,6人も在住してます。
坐禅をする禅堂も円覚寺禅堂の写しで本格的です。
常連が大半なのでたまの新参が来てもあまり定着しません(笑)
本日は新参が3人ほど来ましたが、去年はコロナもあって新参はほぼいなかった為、割と久し振りです。
ここの座禅会はそれ程親切に教えてくれない為、新参はなかなか戸惑うことが多いのですが、さて3人のうち何人が来月来るのでしょうか。

私がこの座禅会に参加するようになって14年目です。初めて来たときは末単で、本堂での提唱も老師から一番遠いところで聞いてましたが、いつの間にか老師から2番目に近いところまで順列が上がり、老師とも気兼ねなく話すようになりました。最初の3年は老師から呼ばれるとき「おい」とか「君」とかでしたが、3年後はじめて名前で呼ばれて感動したのを覚えています。よく見てくれていたんですね。

座禅会で坐禅の時間は朝6時から7時までの2時間ですが、私は1時間早く来て2時間坐ります。ここ10年以上私より早く来る人はいませんから、その1時間はなかなかプレミアムな時間ではあります(笑) そしてその1時間こそが私にとっては本当の戦いのような時間です。

今の私にとっては禅道と武道と両方が両輪の輪のようにはたらき、私を構成していると言って過言ではありません。初めて禅の手ほどきを受けたのは2002年で別の遠い寺でした。2007年までその寺に足繁く通って禅への理解を深めましたが、2007年初頭に父が他界した後、思う処あって秋頃に家からより近いこの寺ともう一つの寺を知り通うようになりました(両方とも老師です)。私の本格的な禅デビューはそこからになります。

人によっては「ただ坐っていることに何の意義も見いだせない」という方もいます。確かに「ただ坐っているだけ」ですが、外部には膨大な物質、膨大な情報が氾濫している現代、じっくりと内面と向き合う時間を持っている人が一体どれ程いるのかを考えると、「何もせずに内面と向き合う時間」が結構希少なものであると考えています。少なくとも私には大変有効でした。みんながみんなに有効であるとは思いませんが、お釈迦様の時代からカウントしても2500年ぐらいは続いていることですから、恐らく何か有益な効果があると考えてよいと思います。

座禅会は全国各地で開かれています。私が通っているのは臨済宗ですが、同系統で黄檗宗、別の禅宗として曹洞宗坐禅もあります。もしちょっと気になったり、心のわだかまりがあったらぜひ参加してみて下さい。何かしら得られるものがあると思います。

令和参年皐月九日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

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