不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

一芸は万芸に通ず

流行に乗り遅れまいと、先日アマゾンプライムビデオで「鬼滅の刃」を視聴しました。個人的にはまずまず面白かったと思った次第ですが、その中で1人のキャラに注目しました。

それは・・・我妻善逸くん(笑)・・・

 

鬼殺隊の隊員は皆、複数の技を駆使して鬼を撃退するのですが、彼のみたった一つの技、「壱ノ型 霹靂一閃」しか使えません。それしか会得できなかったそうです。なので彼はいつも臆病で消極的で劣等感に苛まれ、自己肯定感がかなり低い。・・・とは言えそのたった一つの特技は際立っていて、物語の中でよく活路を開きます。たった一つの技を駆使する彼の姿に少々感銘を受けました。

 

好きで守っている信条があります。

それは

「一芸に通ずる者は万芸に通ず」

です。

 

長いこと武芸を続けていると様々な難問や命題、困難に遭遇しますが、その解決にはそれまである程度、知識の量、体験の量がモノを言いました。しかしあるときふと、それが量から質に変化しました。私の場合は多分「歩き方」の研究をしていたときだったと思います。その体験を通じて「たった一つのことを極める」ことが「森羅万象に通じる」と直感的に分かった気がしました。

 

私は自分の流儀しか知りません。体験セミナーで他流を体験したことは何度かありますし、義理で数ヶ月間他流を稽古したこともありますが、30年以上、当流のみを錬磨しています。

 

良いことか悪いことか分かりませんが、元来私は不器用なので二つも三つも習うことは多分無理だと思います。なので複数の流派を研鑽している人は器用だなと思います。また、流派によっては他流の入門を禁ずというところもありますが、それはそれでお節介な気もします(笑)

 

武芸だけではないと思いますが、分からないことがあったり、未経験の困難に遭遇すると大抵、キョロキョロと「他」に答えを求めたりしてしまいがちです。しかし大抵の答えは足元、或いは自分の内側にあったりするものです。気付きにくいのは極め足りない、ブレがあるからだと思います。

 

日本の企業や店は世界的にも長寿揃いだそうです。100年、200年、300年と長くなるにつれて日本の割合が高くなります。世界で一番古い旅館と企業は日本だそうです。共通しているのは多角経営をしていないところが多いとか。一つのことをとことん極めているところが長生きしているそうです。

 

たった一つのこと、たった一つの技、たった一つの道、これを極め尽くしたらどんなことであっても多分、大成できるものだと日々信じて武芸に精進しております。

 

令和弐年霜月晦日

不動庵 碧洲齋

 

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