不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

天地人

中国の思想によく出てくる句にこのようなものがあります。 「天の時は地の利に然り、地の利は人の和に然り」 天の時というのは所謂好機、タイミングとかチャンスとか、そういう意味と理解します。 地の利というのは、それを得るための条件や準備と理解します。 人の和というのは、その条件や準備を整えるための扶助と理解します。 例に挙げて言うと、チャンスというのは実は私たちが思っている以上にあちこちにゴロゴロ転がっているものなのだと思います。私たちが気付かないのはちょっとした森の中だったり、夜だったり、物陰の下だったりしているから。入山の準備、昼まで待つ、チャンスが隠れている物陰の種類についての知識など、色々準備があります。そしてその準備をあれこれ助けてくれる人が多ければ多いほど、準備は万端であったりする、こんな感じではないかと思っています。 人脈の多い人ほどチャンスを得やすいことから、やはりこの句はなかなかに真理を突いていると思います。人体でも神経の交叉が多い部分ほど重要ですからね。 人の和というところ、日本の別号が和であるというのは偶然なのか何なのか、いつも機縁を感じるところでもあります。和を成すには礼節などでしょうか。私も若い頃と言わず、つい最近までは礼節を欠いて苦い想い出をするような事はたくさんあります。今でもありますが(笑) そう考えると国を問わず礼節を尽すのは重要だと特にここ最近は痛感させられます。 これら三つとどううまく付き合っていくのか、いつも考えるところです。 令和弐年如月四日 不動庵 碧洲齋 DSC_2860.JPG