不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

希国旅行記 其の二

帰路もまた、トラブルに見舞われた。 もう10年もロシアに毎年行っている自分としてはビザがないととんでもない事になりかねないので、絶対に確実なものにしようと思い、日本を出る前からはもちろんのこと、現地に着いた後も友人に領事館と旅行会社に確認を取ってもらった。で、この旅程なら通過ビザは要らないという結果になり・・・。 帰国当日の5月5日、早朝にホテルを出て友人の車でテサロニキ空港まで。・・・しかしチェックインカウンターでロシア領域通過に関するビザの不備を理由に、みごとにはねられてしまった。(笑) そしてとても分かりやすい説明をしてくれた。これは後ほど。
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乗れなかった日に空港のカフェにて。近くにあったスーツケースが結構長い間放置されていたので気になっていたが、案の定しばらくしたら警察が来て5分ほど立哨したのちに持ち去った。やっぱり怖いよな。 仕方ないのでその日は引き返し同じホテルに滞在。とても恥ずかしかったことは言うまでもない(笑) ホテルに行く途中で友人と食事を取り、別の友人と合流。その日は後から来た友人とホテル周辺を歩き、中心地と埠頭をみて回った。 夕刻、友人に先に帰ってもらい、1人でしばらく遺跡や街を歩きホテルに戻った。 新しいスケジュールは夕刻届き、確認。その日は早く寝た。
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湾の埠頭にあったカフェ。見晴らしも良く大変素晴らしかった。
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たまたま近くまで来た帆船型遊覧船をバックに1枚
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市の中心部にあるローマ遺跡。アゴラ、和訳すると市場とか広場とか。人は入れないが猫は自由に入っていた(笑) 翌日、5:30に友人が迎えに来て空港まで。これまた恥ずかしいことに昨日対応してくれた男性航空会社社員が同じく対応。しかしながら事情をよく理解してくれているので助かった。今度はOKのようだった。帰路はルフトハンザでミュンヘンまで行き、そこから乗換えてドモジェドボ空港、再チェックインしてJALという慣れたコース。 欧州の空を飛ぶのは久し振りだったが、今回は心の余裕なし(笑) で、ミュンヘンに到着してからソッコーボーディングパスに記載された次のゲートまで行ったが、番号はあいにく1時間前でないと分からず。少し焦る。1時間前になってゲート番号が分かりすぐに行く。で、搭乗が始まってから何となく名前を呼ばれた気がしたので搭乗カウンターまで。もしかして呼ばれましたか?という問いにスタッフはパスポートを要求したので見せてあちらで何やら色々相談。うわぁ~またか~。ビザは?と聞かれたので、この条件ならトランジットは要らないはずというと複数人がうなずいて同意し、幾つか電話を掛けて確認を取った後にやっと飛行機に乗せてもらった。私のために数分遅れてしまった。初体験に冷や汗だった。3時間程度のフライトだったと記憶しているが(嫌な事はよく覚えていない)
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初めて後ろからも乗れる機会があった。あまり効率的ではないように思ったが・・・案の定(笑) やはり両側から乗るのはあまり効率が良くない。 さてドモジェドボ空港に到着。人生でこの位緊張したことも少ない(笑) 判断つきかねたので案内役と思われる女性の空港職員に質問するとまずそこに並びなさいと言われ、入国ではない方のトランジット用ボックスに並んだが、私の番になると色々質問された後に上の階(乗り継ぎカウンター?)に行けと言われその通りにした。上の階のトランジットカウンターに行くと若い女性空港職員がいて、状況を説明すると彼女も幾つか電話を掛けた。結局、ビザが必要だったのかどうか分からなかった。彼女の英語もうまくなかったので原因を聞きそびれた。ともあれその場でJALのボーディングパスを発行してくれたのだが・・・私の受託荷物は何故かミュンヘンにあるらしい(笑) そこかーっ!と思わず唸った。ともあれカウンター横の特別な?出国/セキュリティーゲートに行く。特例の場合のみで使われるらしく、男女二人の職員がいただけで、X線検査機も1台、ボディセンサーもあったが使われず、簡単に金属探知機をかざしただけだった。で、最後に私のパスポートを入念にチェックして出国のハンコ。しかもその小さな検査場を出たすぐ前がJALの乗り場だったので感慨深いことひとしお(笑) 日本人たくさんいるし!やっと生きた心地がした。
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ミュンヘンからドモジェドボに着陸したらJAL機が見えた。すぐ近くなのに遥か遠くに見えた・・・
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セキュリティーゲートを出たらこの景色。いや~今回は色々ありすぎてこれを見たときは感無量だった。 搭乗は問題なく行われ、飛行機も順調に飛んだ。今回は色々な航空会社を利用したが、やはりJALのクルーは特殊なほどによく訓練されている上に礼儀正しく、しかも親しみやすい。さらに機内食も格段にうまい。座席もエコノミーながら快適。ただエティハド航空のも割と座り心地が良かったので787は全般にいいのかもしれない。あと787の場合、機体の揺れが微妙にソフト。カーボンを多用しているだけあってやはり違うと思った。 到着は予定よりも30分早く、朝の8時。到着して入国審査。入国審査にも顔認証自動審査機があり、もの凄い速さで捌いていた。スタッフの話だと1台で1人5-7秒程度で捌けるので、人間がやるよりも圧倒的に早いのだとか。前のブログにも書いたが、成田空港の人を捌くシステムはダントツに優れていると思う。 入国審査を通り、荷物をピックアップするところの一番左奥にあるカウンターに行き、ロストバゲージ申請をする。記入が終わるか否かで私の荷物を見つけたようだ。こういう時代だから当たり前だが、色などもすぐに照合した。荷物はドモジェドボにあるそうだ。で、明日には成田に着き、明後日には家に届くとか。照会用カードをもらってスタッフと一緒に通関に行き申請後やっと帰国。帰宅後に電話があり、明後日ではなく明日(つまり本日)届くと連絡があり驚く。時代はロジスティクスの速度をも恐ろしく上げた。ちなみに人生初のロストバゲージは人生初の海外渡航、米国でのことだった。30年間で2回か。あのときも最悪だった。以後は省略。 印象的だったのは毎年お世話になっているドモジェドボ空港。いつからみんなにこやかになったのだろうか。案内係も何気ににこやかだったし、入国審査官のおじさんも全く強面でなかった。次に対応したトランジットの入国審査官のお兄さんもにこやかだったし、トランジットカウンターのお嬢さんも至極真面目に仕事をして対応も親切丁寧だった。処理が終わったときに名札を見てロシア語で「どうもありがとうソフィアさん」と言ったらはにかんでいたのが可愛らしかった。セキュリティーの若者たちも温和だったし。(でもそこは男女二人しかいないので妙に親密だった(笑))サービスが悪いというロシアの悪い伝統も変わりつつあるように感じた。 ロシアに行く場合、日本人はまだビザが必要であるが、私の体感では毎年簡単になりつつあり、プーチン大統領安倍総理の今後の話し合い次第ではビザ免除になる可能性はかなり大きいと想像する。日本ではあまり知られていないがロシア人は世界有数の親日国である(笑) ビザがなくなれば大挙して日本に観光しに来ると思う。 通過ビザが必要なケース 1.外国からロシアの空港に到着して、6時間以上ロシアの空港に滞在する場合。 2.外国からロシアの空港に到着して、別のロシアの空港に移動する場合。 つまり荷物を一旦ピックアップする場合は確実に必要ということ。もっと簡単に言えば、判断に迷ったらまず通過ビザは取得しておいた方がよい。基本、母国でのみ取得できるようだが、滞在国のロシア領事館にも問い合わせてみてもよいと思う。英語が不慣れであればホテルのスタッフに頼むなど。モスクワの空港(シェレメチェボ・ドモジェドボ共)欧州有数のハブ空港なので、欧州への往来には要となる場合が多い。 あと、可能であれば受託荷物をしないのが手っ取り早い。私も土産とかなければギリギリ手荷物だけで済みそうなのだが、なかなかに難しい。 以上復路の話。滞在中については後ほど。 令和元年皐月八日 不動庵 碧洲齋