不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

平成二十九年臘八坐禅会

臨済宗ではお釈迦様は35歳の時、12月1日から8日早朝までインドはブッダガヤに流れるナイランジャナー川のほとりに立つ菩提樹の下で坐禅を組み、8日朝、明けの明星を見たときに大いなる悟りを開いたと言われています。 そこでその追体験をする意味で臨済宗の僧堂では12月1日から8日早朝まで、睡眠時間2時間程度でそれ以外は坐禅と独参に徹するという、1年で最も過酷な修行期間があります。臘八大接心と言います。
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私は師匠から何度も臘八大接心の過酷さを耳にしていますが、何度聞いてもため息が出ます。それだけに僧堂を出た雲水には敬意を持たずにはいられません。特に20代の貴重な時期にそのような過酷な修行に数年、身を投じるというのはなかなかできることではありません。もちろん中には実家の寺を継ぐためという人も多いですが、それを考慮してもやはりその意志たるや、敬服に値します。
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比較的大きな坐禅会を開催している寺ではこの時期、臘八坐禅会を行います。普通毎週末とかそのくらいの坐禅会が7日間連続で夜に行われたりします。私が通っている寺では坐禅1時間、提唱30分、茶礼30分弱で19時から21時ぐらいまで。古参になると禅堂が開かれる18時過ぎから来ます。僧堂の修行僧に比べたら些細な時間ですが、坐禅は少しでもやれば功徳があると言われています。
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最初の頃は2炷1時間はそれなりに長く感じたものですが、今では通常の坐禅会でも臘八坐禅会でもほぼ一番に入堂して坐るようになりました。坐禅会ではいつも4炷2時間ほど坐ります。慣れてくると2時間ぐらいはそれほど苦になりません。
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この寺の坐禅会に参加するようになって10年というキリのいい節目になりました。ということでいつもと違うことをしようと思い立ち、7日間で48炷24時間坐るという目標を立ててみました。長ければいいという話しではありませんが、取り敢えず坐ってみるということで。
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そうすると1日3時間半坐る計算になります。最後の日だけ3時間。寺で2時間坐りますから家で1時間半坐らなくてはならない。ということで毎朝5時に起きて1時間坐り、坐禅会から帰ってきて寝る前に30分坐る。これで丁度24時間になります。夜の坐禅会は仕事を終えてすぐ寺に向うと丁度18時、そして寺を出て家に帰ると21時半。それから食事や風呂や色々なことをして坐って寝ると24時近くになりますが、これを1週間続けるとそれなりに大変でした。3時間半だけ純一に坐る事自体はそう難しくないのですが、それ以外のこともしながらと言うのが難しかった。疲労がたまるんですね。とはいえそれはそれでなかなか良い経験になりましたので来年以降も臘八坐禅会期間は24時間は坐ることを目標にしていきたいと思います。勝手な想像ですが慣れてくれば1週間で24時間というのもそれほど苦にならなくなるのでしょう。
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今回、この期間中、どうも収まりが悪かった逆の足の組み方(左足の甲を右太ももに乗せるのが先)がやっとカチッと収まるようになってきたので左右組み替えれば更に長い時間坐れるようになると思います。 平成二十九年臘月八日 不動庵 碧洲齋