不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

本日の稽古にて

本日の稽古はなかなか違ったテイストだったのでちと書き記したく。

20-30年前の当流には軍人警察官という類の門下生が多く、それはもうパワー炸裂の体術でした。

力任せが「悪」であると認識し始められてきたのはここ15-20年ぐらいでしょうか。

・・・という前振りで、本日は久々にパワーユーザーと稽古しました(笑)

何か懐かしくなるような感じの力業の持ち主でした。

ま、これで根性まで悪かったらもっと意地悪くしたのですが、そういう人ではなかったし、武風が私が入門したばかりの頃に多くいたような、昔懐かしの感じの方だったので黙々と稽古に付き合いました。相手の武歴は知りませんが、久々に教えられました。まあなんと新鮮だったこと(笑)

基本稽古は「実戦」ではありません。片方が必ず技を掛ける人であれば、片方は必ず受ける人と決まっています。それ故に力任せに体を硬くしていいたのでは文字通り「稽古」にもならず。もちろん、崩す方法はいくらでもありますが、相手が体を固くしていれば痛みもその分多く。痛ければ稽古相手も恨まれます。仕方ないのでそういう手法を使わずにできる最大限の技術を投入して崩すわけです。急所に当て身を入れたり、意表を突いた方向に持って行くことも可能ですが、他の道場であればいざ知らず私が所属している道場では忌避される行為なので、なかなか難しい。

相手が稽古の意義を理解できるかどうかはその人の器量の問題なので、あまり切々と説くつもりもまたなく。分からない人には分からない、そういうものです。

相手が体をガチガチにしていると細心の注意で最大限効率的に動かないとなかなか崩せない。これは稽古だからできること。実戦では双方は常に動いていますから体をガチガチに固定していることはあり得ません。動くイコール柔軟性がある、ということ。稽古時に格下の技に掛かりたくないのかプライドがあるのか、稽古の意義を理解していないのか、ガチガチにしている人の思惑は大抵そんなものです。

ま、長年やっているとそういう人と組むのもまた良い稽古で、ガッチリと動かない相手を倒すのに創意工夫を凝らし、なかなか面白い稽古でした。

二人目は久し振りのフランス人。珍しく英語もできない方でした。ニコニコしていて明るい方でした。黒帯なので数年はやっているのでしょう。師範の先生のスタイルによって好みがあるようで、うちの道場には南欧系はあまり来ません。強いていうと北欧系が多く。

3人目はドイツ人の女性。武歴3年という事でしたが、私が行ったことを的確に行い技のキレもよく。武歴の割には結構うまいように感じました。女性だから甘く言っているわけじゃないですよ(笑)

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稽古の往路は晩冬のように寒く、冷たい雨だったので例によってコメダに立ち寄りました。いや本当に寒かった。しかし稽古時には胴着の下のTシャツがうっすら汗ばむほど。やはりもう冬ではないんですね。

帰路も小雨。今日は一日雨ですかね。

帰宅後は家族と昼食を食べてから息子と録画した「相棒13 14話」を観ました。いやなかなかに、相棒シリーズの中ではおもしろい話しでしたよ。

あ、米国在住の友人から国際小包が届きました。去年梅シロップを送ったのでそのお返しとか。スナックとチョコレート、息子にはNASAグッズでした。友人は料理人なので食べ物の方は多分期待しても良いクオリティーなのでしょう。あ、メイは箱がお気に入りのようでした(笑)

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今日から卯月ですね。桜も間もなく満開になることでしょう。

平成二十九年卯月朔日

不動庵 碧洲齋