不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

アメリカの走り方

遥か遡ること四半世紀前になりますが、留学時には米国のほぼ半分の州を自動車で制覇しました(笑) 多分一般的な米国人よりもたくさんの国立公園や景勝地に行ったと思います。 ま、そんなこともあって昔取った杵柄ではありませんが今回、出張中に日帰り可能なデスバレー国立公園に行ってみようと思い立ちました。 デスバレー国立公園にて
画像
ということで、米国に観光などで行き、かつレンタカーを借りて米国内を旅行したいという方のために少々アドバイス。昔とのギャップと合わせてお知らせできればと思います。 まずこの条件で旅行する場合、 1.年齢は21歳以上であること。 2.自動車免許を持っていること。 3.クレジットカードを持っていること。 4.最低限の英語ができること。 が肝要です。米国では21歳以下は車が借りられません。仲間と行くなら誰かひとりでも21歳以上である必要があります。ま、自動車運転免許証は持っていることは当たり前ですが、クレジットカードは必須です。学生の方は親に頼んで家族カードを作ってもらって下さい。2週間前後かかりますし、有名観光地付近ではシーズンになるとレンタカーが不足するので早めに予約をする必要があります。なので図式にするとこうなります。 運転免許証を持っている場合・・・ 1.パスポートを持っていなかったら早めに取得すること。 2.国際免許証を早めに取得すること。(もっとも有効期限は1年です。1年以上前という事はないでしょうが) 3.クレジットカードを取得すること。 そこで初めてレンタカーの予約ができます。 当たり前ですが冬やその前後は降雪などで事故が起きやすいですからあまりお勧めしません。 今回借りたレンタカープリウスC,日本ではアクアと呼ばれている車種。
画像
有名観光地であれば複数の中から選べますが、昨今はこんな便利なサイトもあります。 http://www.rentalcars.com その場所で一番安く借りられる会社を探してくれるサイトです。 借りるに当って、ですが安全安心快適に乗るために・・・「日本車」を強くお勧めします。特に長距離を走る場合。地平線の先まで何もないところで故障のために立ち往生して途方に暮れたくなかったらグレードはともかく日本車が一番です。 ま、折角アメリカに来たのだから、というなら米国車も致し方ないかも知れません。決してダメとは言いません。普通はもちろん壊れたりしませんから。私も米国車には何度も乗りました。ゴッツイとかパワーが全てという感じもしますが、いい体験にはなりました。 ・・・決して差別ではありませんが、絶対に死んでも乗りたくないのは韓国車(笑) いえ、別に国が嫌いなわけではないのです。単に韓国製品の全てが信用ならぬと言うだけです。場合によってはエンジンをかけた瞬間に後悔するやもしれませんし、事故が起こる確率たるや飛躍的にアップすることは間違いありません。 持ち物です。 サングラス。必須です。長時間付けていても快適なものがいいでしょう。米国で買うとサイズが合わない可能性があるので必ず日本で買ってください。 ドライバーズグローブ。よく特撮ヒーローが付けているあれですね。若気の至りで無謀なほどのロングドライブの場合は必須です。まあ、せいぜい4-500キロ往復とか言うなら要りませんけど。最近はレンタカーにもオートクルーズが付いてますしね。 車用充電器。シガーソケットに付けるタイプですね。1人ならUSB1個口でもいいですが、複数人で行くならやはり2-3個口のものがいいと思います。これもないと大変かもしれません。 モバイルルーター。レンタルで借りましょう。これがあると格段に便利になります。 タブレット。カーナビを借りずに済みます。 余談ですが靴はスニーカーなど、長時間履いていても疲れないものがよし。長距離の場合。私が留学生だったころは裸足で運転していたりしました(笑) 飲食物。車内で退屈しないアイテムなのでケチらず買い込みましょう。(笑) 仲間と夏の旅行で数日に亘るドライブ場合は発泡スチロールの小さめのクーラーボックス等も買って、冷やしたまま持って行くべきです。日本のようにそこら中に店があるわけではありませんし、例えば国立公園内の飲食物は結構高いので、途中のスーパーで買い足して氷で冷やした方が安いしいちいち止まらずに済むので効率がいい。 準備すべき事。長距離の場合、これがないと半日が無駄になるとか、トラブルがあったら結局観光できなかったとか、そういう羽目になります。 泊まるところと行くところのルート設定。昨今は全部インターネットでできますね、はい(苦笑)。でも例えばグーグルマップとマップファン(国内のみ)ではルート選定が違うように、色々な要素があるのです。 恐るべき事に今や行かずともそこの景色はネット上で見られるという、何とも味気ない時代になりましたが安全と言えば安全。でも見ない方がいいと思います。旅がつまらなくなる。 車を借りたら足でタイヤを蹴ってみて空気圧が十分かどうか確認。あとオイルゲージも必ずチェック。できたらいつ交換されたものかも。(2.3日以上の長距離ドライブの場合は)更にスペアタイアや非常用品なども。荒野のど真ん中で立ち往生することも考慮してください。ホテルやモーテルに部屋を借りたままで、不安に思う場合はカウンタースタッフにドライブスケジュールなどを知らせておいてもいいかもしれません。アメリカはあくまで自己責任ですが、誰も知らないよりはいいだろうという程度です。 1日の走行距離。1回の給油で走れる距離。米国では驚くほどに巡航速度が一定するため、走行距離も日本とは比較にならないほどに良く伸びますが、それでも300キロとかその辺りにした方がいいでしょう。400キロは少し怖い。要するに何かのトラブルやミスで給油ポイントを逃した場合でも、まだ余裕があることです。東海岸や西海岸の場合にはそういうことはほとんど考慮せずともよいのですが、中西部、山岳地帯の場合は致命的です。(あ、このブログは基本、都市部以外での旅行という事でご了承下さい) また田舎の給油ポイントは17時ぐらいまでの可能性もあります。(もしかしたらクレジットカードの無人給油所もあるかも知れませんが、後述の理由により避けるべき) 距離が短くてもロッキー山脈などの山越えや山間部の観光地の場合は標高が大変高く、燃料消費量もかなり違います。1600ccの車では1速2速なんていう区間もありました。 地図:Road AtlasというA3サイズぐらいの道路地図がコンビニやちょっとした店には必ず売っていますので買ってください。限られた場所だけであれば1州だけのでも構いません。できたらこれは出立前に買って、予め読んで印や付箋などを付けておくことをお勧めします。
画像
今回デスバレーに行った際に大失態だったのがこれ。いつもは必ず買うのですが、今回はカーナビもあるしスマホもあるしと思い買いませんでした。・・・カーナビと言っても要はネット接続のグーグルマップのようなもの。ネットに繋がないと意味が無く。都市部以外ではwi-fiはおろか電話の電波すら入らない場所を走るわけですからこういうものは役に立ちません。グーグルマップのカーナビ設定には予め走行ルート周辺の地図をダウンロードしておくという設定もありますが、紙の地図の方がテッパンです。やはり電子機器は緊急時には役立たないと思った方がいいでしょう。ただし上記にも書いたようにタブレットにグーグルマップのルート地図をダウンロードしておけば、カーナビとして使えます。あ、どうやってホールドするかは機種やサイズによりけりなので分かりかねますが、私は今回使ったのは7インチタブレットでした。なかなか丁度よいサイズでした。・・・あ、それが壊れたので困ったという事でした(笑) だからアナログのナビも忘れずに!
画像
1日に運転できる距離は時差ぼけの疲れなどを考慮して500キロぐらいがいいと思います。少なくとも初日は。あ、米国は参る表示ですからご注意ください。1マイル=1.6キロ程度です。私は留学時代1日700マイルぐらい運転したこともありましたが、観光なので行ったら疲れ果てたというのは本末転倒です。米国は広いので移動日と観光日を分けて考えるのもいいでしょう。500-700キロ離れていたらまず1日で移動して宿泊、1.2日観光して宿泊、戻りに1日という具合です。グランドキャニオンなどは最低3日ぐらいあると周辺も含めてじっくり見て回れると思います。5日もあったらノース・リム、谷の反対側も行けると思います。イエローストーン国立公園などは1週間ぐらいいないと全部見て回れませんかね。 給油について。留学していた頃に比べるとクレジットカードオンリーのところが圧倒的に増えました。 が、そこで問題発生。米国国内で発行されているクレジットカードの仕様がどうも国際標準とは違うらしい(笑)度量衡にしても航空法にしても旅客貨物セキュリティにしても、どうもアメリカはオレサマイズムが強すぎてはた迷惑することしばしば。まだ日本のクレジットカード会社に確認を取ったわけではありませんが、私がベガスで確認した限りでは、米国内発行のクレジットカードの磁気情報の中にはID番号(多分米国で一般的にIDとして使われている運転免許証の番号だろうとのこと)が含まれていて、それがないとクレジットカード読み取り機が稼働しない(笑)お陰で燃料給油のために3回もガソリンスタンドを回るし、カウンターでカード先払いの時もメチャクチャ態度の悪いあんちゃんにけんか腰にしなくてはならないし、まあまあ素晴らしい経験でした。日本なら絶対にあり得ないスーパーな接客態度でした。あと2分ケンカ口調だったらカウンタ越しに回し蹴りが飛んでいたことでしょう。ま、アメリカですから。 ID情報の入ったカードしか使えなくて無人というのが一番困ります。そういう状況があるわけです。そのリスクは今のところ避けられないのでよくよくご注意ください。現金を持っていればよいとか言うレベルではなさそうです。 あ、国立公園の入場料徴収がまさにそれでした。マイナーな公園やマイナーな入口だと無人のようです。落書きされたボロい入場料発券装置はクレジットカードのみの扱いで、しかもID情報が入ったカードのみの扱いでした。まあ、この場合仕方ないのでその先のインフォメーションセンターで改めて支払うしかありませんよね。事情を説明すればパークレンジャー(公園内の警察)に呼び止められても文句は言われないでしょう。 アメリカの道は真っ直ぐで行き交う車も大変少なく、ついついガーッと飛ばしたくなります。そんなときに言います。「広いアメリカ、そんなに急いでどこに行く」です。10-20マイルほど吹かして1.2時間飛ばしたところで絶対に大して距離は稼げません。日本で飛ばしたら早く着くとかそういうレベルの広さではないのです。リスクは二つ、余計に燃費が掛かり・・・お巡りさんに捕まるという事(笑) ちょっとぐらいのスピード違反は英語が分からないふりをしてスミマセン的なゼスチャーで逃れることもできますが、あまりひどいとダメです。しかもアブナイですから。ぜひとも速度は遵守してください。一例まで、フリーウェイは概ね65マイルですが、まあ70マイルまでは大丈夫です。そのぐらいまでの速度をお勧めします。因みにそれ以上だと捕まる可能性があるばかりか、燃費がかなり悪くなることが大きいです。そしてせいぜい稼げる距離は50-60マイル、大した距離ではないので無理に飛ばすのは止めましょう。
画像
1人で運転していたときなど、一番の大敵は「眠気」。この敵たるや恐るべしです。眠気に効く方法を伝授しましょう。時差ぼけもあることですからできたら止めて10-20分でも止めて仮眠するのが一番ですが、交替できる人もいなく、そうもいかない場合など。 1.飲食すること。コーヒーでなくてもいいです。飲み食いは眠気を覚まします。食べ過ぎないように。 2.音楽。私の経験では記憶しているできるだけ古い歌がベスト。これは驚くべき効果を発揮します。 3.過去のムカついた事柄を思い浮かべる(笑) 若いうちは効果大かな。 4.お勧めしませんがドラッグストアーでカフェインタブレットを買って飲む。でも胃もたれしたり、飲み過ぎると気分が悪くなります。 ヒッチハイカーは絶対に乗せない。良くあるパターンは美人がひとりヒッチハイクしていて乗せてしまう。少し走っていると別の男がヒッチハイクしていて「彼も友達なの、乗せてあげて」となって乗せる手口。州によってはヒッチハイクそのものが禁止されています。多分道端などにそんな風に書かれた標識を見ることもできるかもしれません。いずれにしても乗せない方がいい。仲間2.3人で乗っていてもだめです。相手が銃を持っていたら車を止めた瞬間アウトです。
画像
裏技ですが、マイナーな展望台、ビュースポットでも、日本人には「おお~」と感じる景色が多い。そしてそんなところの方が人も少ない。最近はネットマップでも細かく載っているので、事前に調べてみて、10分20分でも車を止めて景色を眺めるも良し。交通量が少なくない道路脇に止めると警察が来るかも知れませんので、ご注意ください。 スケジューリングですが、このようにちょくちょく止まることを想定して組んだ方がいいですね。平均時速65マイルぐらいでも7-8割ぐらいで考えれば少しぐらい止まってもスケジュール通りになります。折角なのでその方がいいでしょう。楽しめますし。 私は米国のどこも好きですが、やはり走っていて圧巻なのは、アリゾナ州周辺の地域(アリゾナ州ユタ州カリフォルニア州ネバダ州、ニューメキシコ州コロラド州)。北斗の拳のキャラが向こうから歩いてきそうな感じです。断崖絶壁でヒーローごっこもいいでしょうか。 しかし滑落注意です(笑)  街中を走る場合はやはり日本と勝手が違うのでご注意ください。右折は赤でも安全確認後OKだということと、道路が大変広かったり車線が多いので慌ただしいという事はあるかもしれません。ただし幸いにも運転マナーは日本と同じぐらいまともです。 朝食セットを頼んだのだが、待たせたからと言ってアップルパイをオマケしてくれた(笑)
画像
それではよい旅を。 平成二十九年弥生二十一日 不動庵 碧洲齋