此度のロシア旅行では息子も同伴でしたが、息子には色々な発見があったようです。
中でも驚いたのは「セキュリティーチェック」。
空港は仕方ないとして、百貨店やホテル、ショッピングモール、果ては寺院に至るまで、あちこちに金属探知機が設置され、セキュリティースタッフが金属探知機を手にして立っていました。
年末年始のモスクワです。人が多い上に寒さから逃れようとショッピングモールやホテルに殺到しますからそのセキュリティーとやらは意味を為しません。
ほとんど通過儀礼のようなもの、神社の鳥居ぐらいの意味しかなかったようです(笑)
何人もの人が通るとピーピーなっていましたが物理的に止めるなんて不可能な状態。じゃあ何のためだと言いたいくらいです。実際セキュリティースタッフも手持ちぶさたでほとんど突っ立っているだけでした。
日本にいると「セキュリティー」意識が極端に下がります。私などは成り行きで高い方ですが(笑)、ロシアの友人たちはなるほど現地に即した意識の高さです。
歴史博物館
現地のセレブ階級の人と話す機会がありました。
日本では基本、ほとんどテロらしいテロは起きません、イスラムも革命分子も日本では厄介を起こしません。ま、新興宗教が問題を起こしたことはありますが(笑) 基本日本は性善説の上に立った信用社会なので、これを破壊するのはとても勇気が要る行為です。
そもそも日本は70年以上も戦死者を出していない、つまり戦争をしていない、故に恨みを買うこともない。戦争を回避することが常にいいことかどうかは分かりかねるが、モスクワのようなしょうもないセキュリティを東京でされたらたまったものではありません。
日本の神社はどこの宗派の人でも受け入れます。禅寺ならイスラム教の人でも坐禅ができるし実際しています。
日本人が唯一、重要視するのは「和」これだけです。大げさに言えば調和さえ守れば逆に何をしても許されます。調和を乱すことだけが本当の「悪」と見なされます。
こんなことを話すと、さすがに黙って納得してくれました。反論の余地もありません。当たり前ですけど。
コトバではない、今の現実そのものが、その国を現しています。(人もそうですけど)
テロに怯えるなら、怯えずに済む方法をもっと賢い方法で考えねばなりませんが、ロシアの場合、まずは正しい方法で政治家を選ぶことができるようになってから、かもしれません。
クレムリンの夜景
もっとも昨今は欧米のどこでも、中国でもセキュリティーは厳しくなってきていますから、ものの考え方そのものを変えねばならないと、私などは思います。
平成二十九年睦月十二日
不動庵 碧洲齋