不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

成田山新勝寺断食参篭 所感

最後に所感など
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断食参篭中は体力消耗することは避ける傾向にあった。更に今回は草履の破損を恐れてあまり出歩かなかったのも理由の一つ。その為通常よりも歩かなかったかも知れない。正式を重んじるなら白足袋に草履だが、広い境内をくまなく歩くならやはり普通のシューズの方が望ましいと考える。(多分私は次回も草履にするが) 衣服はこのような場所なので私は作務衣が一番相応しいと考えるが、過ごしやすい格好でもよいとは思う。ただ夏と冬は暖房がない分、部屋の中の環境はなかなか大変だと想像する。6泊などした場合などは体の熱量が減って、通常よりも寒くなると思う為、夏以外は気持ち厚着ができる準備が必要かも知れない。 IT機器持込厳禁だが、今回はその後に友人と会うため大変困った。修行中絶対に電源を入れたり使用しないと心に誓えば持って行っても良いと思う。今回の参加者にも持って来ていた人がいたかも知れない。スマホが手放せないと言うぐらい禁断症状が出ている人はもちろん、持っていかない方がよい。 人によると思うが、30代以後の成人なら、3-4泊の断食は想像するよりも苦しくないと思う。空腹感は2日も続かない。その後の反応は人様々で、頭痛、眠気、吐き気、私のように胃液が原因と思われる胃痛などあるが、これはほとんど反日から日で収まる。以後は空腹ではない普通の状態が続く。本当の断食の効果はここからではないかと思った次第。この諸症状は体がエネルギー源を消化器官から体内に移行する為だと言われている。 布団何とかして欲しい。断食をすると寝る時間が早くなる。寝るのが楽しみになる。それであれだけ薄い布団だと気分が削がれるだけでなく、体中の出ている骨の部分が痛い。多分、冬でなければ掛け布団を敷いてもよいのだろう。 アラーム時計は必須。大抵その前には起きられるが。私のはしゃべるアラーム時計だったので他の人に迷惑が掛からないよう気遣った。声が出なくともライトが付く機能が欲しかった(笑)。 減食は必須。減食抜きで断食をするとかなり苦しむと想像する。間違ってもいきなりの断食は避けるべき。もちろん復食も同じくらい丁寧に。そして控えめに。 水行場にあるお不動様
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今回断食を前日合わせ4泊5日で行ってみたが、意外なほど人体はタフにできていて、そのくらいでは人は肉体的に衰弱しないものだと分かった。ただしこの状態で労働したりストレスの掛かる状態が連続すると衰弱するのだろうと想像する。成田山の断食参篭は初回は3泊まで、以後最長である6泊まで可能になるが、3泊は体を慣らすのにはよいと思う。断食の実際の効果は3日以後に出てくるのではないか。もしサーチュイン遺伝子なるものがあるとすれば、それが覚醒するのは断食して4.5日ぐらいしてからではないかと思う。 今回、精神的な啓発を期待したのだが、意外なほどに精神的には変化がなくある意味残念に感じたが、想像したように肉体的には減量したのとデトックス効果なのかどうか分からないが、爽快感がある。 今回の断食の効果の全容はまだハッキリしないものの、今後は3日程度なら自宅でも可能なため毎月でもできるかもしれない。1週間は春か秋に成田山に行って行ってみようと思う。イスラム教徒らのラマダンではないが、毎年1回ほど、体に日常ではあまりない負荷を掛けてみることは悪いことではないように思った。 不動明王が地元はもちろん、遠方でも大変篤く信仰されていることには大変感心した。 私もいっぱしのお不動様信者だが、熱心な方を多く見受けられた。 (護摩の時などに数珠を持って和袈裟を付けていたのは私以外は余りいなかった) 護摩真言宗修験道で行われるが、私的にはやはり一番最初に禅の指南を受けた不動寺を思い出す。ふと再び機縁を感じたので連絡してみようと思い立った。 来年明けてから様子を見て、機を感じたら今度は6泊の断食をしてみようと思う。
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平成二十八年霜月七日 不動庵 碧洲齋