不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

成田山新勝寺三日目

22時過ぎに一度起きたときはまだ胃が痛かったのだが、3時過ぎに目覚めたときはそれもなく。

水摂取報告と御護摩を済ませる。今日は輪袈裟を炙っていただいた。

それにしても6時という早朝から地元の信者さんたちが30-40人以上も集まる事に驚きます。信心深い人が多い。

本日残りの1名も完了。(女性はまだ2名いますけど)退出時間まで色々人生論的な話しをする。

多少でも参考になっていただければ。

9時に道場を出て境内散策。

今日の目標は各お堂の巡礼。つまり全部のお堂で読経すること。

平和大塔の前の噴水公園では小春日和で気持ちよかったので40分ほど昼寝。

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その後、隣の公園を回る。それにしても境内広すぎだろ(笑) 

公園には池があり、大変素晴らしい景色でした。

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ゆっくりと回って12時頃道場に戻る。

何かアクションを起こすと必ず1-2時間の休息が必要になってきます。

さすがに階段の上り下りが気持ち辛い。

13時から図書館に。しかし諸般の事情で15時法話の時間に少し間に合わず・・・。

素直に謝りましたが。

実際、私は毎月法話をする坊さんよりはずっと修行をしてきたお坊さんの話を聞いているので(笑)

図書館で「月間住職」初めて読みました。

アレはなかなか面白い。僧侶たちのリアルな問題が赤裸々に書かれていて興味をそそります。

最新号は例の「アマゾン お坊さん便」について。

私は比較的そのサービスには好意的だったのですが、見方がガラリと変わりました。

凄いですさすが欧米企業のビジネスライクな搾取。

たぶんこういうことは僧侶の人からはなかなかいいにくいことでしょうから私が激白します。

36%もマージンを取られるので、僧侶が受け取れる金額は本当にアルバイト程度。

依頼者の支払が36000円だとしても、僧侶が手にできるのは20000円ちょっと。しかも交通費込み。

御霊前とか、その葬儀に関わったあらゆる収入も36%はよこせとか。

更に色々な縛りがあって読む度に腹が立ちました。こんなのは絶対に許してはならない。

僧侶を何だと思っているんだ!・・・という感じです。

普通、一般論として手数料って10-20%が常識じゃないですか?

常識の範囲なら全く賛成です。(縛る範囲も)

なので皆さん、アマゾンお坊さん便はなるべく使わないようにしましょう。

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夕方にまた散策。

戻った後に1時間ほど坐禅

この断食中に坐禅をしていて大変驚いたことは、体が空腹時だと坐禅をしていても雑念がほとんど浮かんでこない。

普通は雑念が無くなるような状態に持っていくのにそれなりの時間がかかりますが、この期間中、坐り始めてほとんどすぐにすっと雑念が浮かばない状態に持って行けます。何度やっても驚きです。

思うに僧堂で極度に質素な食事をしているのもその為だと思う。師匠も腹が減ると雑念が浮かぶ力もなくなってくるとよく言っていました。

断食初日から坐っていますが、たった1日の断食で雑念が消えるとは。それだけ雑念がいかに豊かすぎる世界に身を投じてきたかという証左でもあります。多分、食べ物や生活がギリギリだった江戸時代などの人々は多分、今の我々ほどには雑念は浮かばなかったのだろうと想像します。(しかも彼らの情報量も比べものにならないほど少なかったでしょうし)なるほど昔の人は悟れる人が多かったわけです。

18時過ぎに布団を敷いて、20時頃まで読書、その後は就寝。

平成二十八年霜月六日

不動庵 碧洲齋