不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

坐禅会に参加する場合

春を過ぎる頃になると、坐禅会に参加する人が増えてきます。

特にここ最近は坐禅は大して道具もいらず、お金も掛からない修養ということで、人気があるようです。

私自身、特定の坐禅会に参加し始めて10年弱ですが、これから坐禅会に参加したいという方のために少々、一在家の視点で備忘程度にしたためたいと思います。

よろしかったらご参考ください。

特に深い悩みや苦しみが無い場合は坐禅はあまりお勧めしません。

今の生活に感謝があり、ある程度満ち足りていると思うのであれば、じっと坐る事に多くの意味はないと考えます。

普通に神社仏閣巡りなどをした方がとてもためになると考えます。

ある程度悩みがあり、それを何とかしたいがために坐禅会に参加したい場合、定期的に参加すべきで、それには自宅からあまり遠くない事が肝要です。どんなに素晴らしい伽藍があり、優れた老師が住職しているような寺であっても、継続して参加できなければ意味がありません。

その上で適切な寺を定めた場合、出来たら最初は実際に見て回ることをお勧めします。その寺の住職とのフィーリング、坐禅会のメンバーとのフィーリング、坐禅会の内容などによってどれがいいのか決めてください。個人的には2ヶ寺程度はあってもよいと考えます。住職と話をしてみたり、寺の雰囲気を知ることも重要です。いきなり座禅会当日に行ってまごつくよりはいいと思います。

行く前には最低限度、ネットなどで坐禅の作法をよく調べてください。最近、新参者で全く礼儀を弁えていない人が多いように思います。寺のみならず、他でも使われている礼儀作法も含まれます。

当日参加したとき、作法に慣れずにまごつくことはよくあることで、主催者や古参たちからそれについて不快に思われることはありませんが、一般社会人として最低限のマナーやエチケットを守らないと、これはさすがにマイナスポイントになります。

・建物や堂内に入ったら一礼する。出るときも同様。

・あらゆる意味で周囲に迷惑なことをしない。

・むやみにしゃべらない。(原則私語禁止です)

・周囲が行っていることに従う。

これは坐禅会の規則や規範を知らなくても知っているべき事です。

それらを守った前提で、積極的になることは大変よいことです。

どうしても分からない場合にのみ、既に先に坐っている

服装は坐禅に適した格好で、派手なものではないこと。化粧なども周囲が不快に思わないこと、香りがキツいものも避けること。携帯電話は音はもちろん、できたらバイブレーションも立てないようにしたほうがよいです(荷物を堂内に持ち込む場合などは特に)。都内や交通の便がよい場所は極力公共交通機関を利用すること。

あまり細かいことを言っても仕方ないので、要するに一般常識範囲で考えて頂ければ構いません。境内での写真撮影は咎められることは少ないでしょうが、建物の内側は基本、行わない方が賢明です。特に本堂の本尊などは決して撮影してはいけません。(他のものについては住職に相談の上、よい場合が多くあります。掛け軸など)

これらを守った上で一心に坐れば、気持ちよく坐る事が叶い、心に抱えたものが少しは軽くなるかも知れません。

それとこれはある程度やっていて感じることですが、坐りやすい時期だけ参加するよりも、暑い夏、寒い冬にも継続して参加する方が、見えてくるものも多いのではないかと思います。

臨済宗のHP http://www.rinnou.net/

曹洞宗のHP http://www.sotozen-net.or.jp/

皆様に、よい坐禅会が見つかりますように

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平成二十八年文月四日

不動庵 碧洲齋