主人公
この週末、息子が観ていた幾つかのテレビ番組を見て今更ながらはっとしたものが3本ほどありました。
サザエさん
ドラえもん
ちびまる子ちゃん
言うまでもありませんが長寿番組、つまり昭和から続いている番組です。改めてじっくり見ると、時代設定がまだ昭和のままということを再発見し、新鮮な驚きを覚えました。
彼らが観ているテレビはブラウン管です。電話はダイヤル式です。インターネットはありませんし携帯電話も出てきません。もちろんパソコンもありません。スネ夫が持っているラジコンは人も羨むほど高価なオモチャのようですし、海外旅行なんて夢のまた夢。デパートの買い物は贅沢で、商店街の小売店が繁盛している。酒屋が配達してくれるし、和室がいまだ主流。
ある意味こんなすごい設定がいまだ生きている番組が長寿番組って、一般大衆の心理はなかなか単純ではなさそうです。
物質的には今の方が遥かに恵まれています。生活の便利さたるや一世代前の昭和に比べ、格段に向上しています。
にもかかわらず、ベタな昭和時代の生活環境下で繰り広げられるドラマが、現代人の興味をそそるという辺り、とても面白く感じます。
言うまでもなくアイテムに依存しない、キャラ同士のやり取りを扱った、文字通りのヒューマンドラマなのでしょう。
気付けば昭和に産まれたとて、人生の半分以上はすでに平成に身を置く自分ですが、コアな部分はやはり昭和にあるような気がします。
自分自身の人生も、そういった時流のアイテムや環境に左右されない、禅語でもある本来の「主人公」に徹した生き方でありたいと改めて思いました。
平成二十八年弥生十五日
不動庵 碧洲齋