不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

故郷

先日昼休み、会社の同僚と話をしていたら、故郷の話になりました。

同僚曰く、最近小学生になる娘さんがあまり奥さんの実家に行きたくないと、同僚に言うそうです。理由を聞いてみると、実家のおばあちゃんのところに行くたびに、自分が住んでいる埼玉県や川口市の悪口を言って、ウンザリさせられるそうです。同僚の奥さんの実家は鹿児島島津藩だったところ、それはもう、明治維新の大功労者です。そんなところとダ埼玉県如きを比較して何の意味があるのか(苦笑)。

私などはそれほど埼玉県に郷土愛を持っているわけではありませんが、同僚の娘さんにしてみたら友人たちが住み、両親が住み、お父さんが働いている土地ですから、悪く言われていい気はしないのでしょう。

人に言われて嫌なことは他人に言わないようにするとか、他人の故郷にケチを付けるのはいかがなものかと思いますが、よりによって可愛いはずの孫にそれを言ったらまずいだろうにと思います。

同僚はそれほど主張の強いタイプではありませんが、娘さんが本気でいやがっているようなので大変困っている様子。奥さんに言えば良いのでしょうが、強く言えないのかどうか。

私は20代のうち7年程度、海外と地方都市に住んでいました。

離れていてそれほど郷愁に駆られませんでしたが、戻る度に安堵は覚えました。

私は基本、住めば都とばかり、どこでも生きていける方ですが、例えば禅や武道の稽古は関東圏でないと難しく。

子供の頃は両親の親はほとんど他界してましたし、父方のおばあちゃんは幕張だったので日帰りで。あまり祖父母に縁はありませんでした。我が家も今や妻の方の祖父母しかいませんが。

子供からすると年寄りというのは知恵の塊とか、老成して出来上がりつつある人のように見えるはずです。それを裏切るような言動をした場合の孫の胸の内たるや、少し可愛そうにも思います。同僚の娘さんは小学校3年と言っていましたから、まだまだ傷つきやすい年齢ですよね。

故郷というと私の場合は日本です。今住んでいるこの草加市よりも日本に強く想いがある気がします。

そういう意味で日本に対して悪意を持つ国には敢然と立ち向かうつもりですが、国は動かせないのでやはり何はともあれ周辺国と調和の取れた関係を築いていくことが肝要ではないかと思います。

平成二十七年葉月三十一日

不動庵 碧洲齋