今朝方、たまたまどなたかのブログを拝見しました。
それは日本で誤用されている某国の礼儀作法についてでした。
ま、私も少し前から気になっていて、最近そういうことかと知りました。
確かに日本ではいささか優美さを損ねる所作のように感じます。
私も日本社会にあっては日本人は須く日本古来の礼法に則ってもらいたいものだと思います。
それはま、よいとして、他国の礼法に対して日本人目線で判断を下し、何をか言うのはどうかと思います。
昨今大流行の「日本はすごいぞ」病に罹っているが如く。
どうもこの手の連中は一面だけを誇大表現するマスゴミに近いものを感じます。
イスラムでは神様以外には頭を下げないのは本当ですが、私の友人たちでイスラム教徒は日本と彼らの道場ではきちんと人に対して頭を下げます。もちろんビジネスで日本人と会っても頭は下げるそうです。
これは欧米人でも同じ事。昨今は日本人と関係があるなら、欧米人同士でも「-さん」を付ける人もいます。
お辞儀も割と自然にする人もいますし、日本の伝統芸能を習得すべく、そういうスクールに熱心に通う人もいます。
その国の昔の風習が悪いからと言って、今でも同じ訳もなく。
確かに世界中に大迷惑を掛けまくったり、気分を悪くさせる国はいくつもありますが、重要なのは「その地域の住民はその国の存続を許している」ということ。神も仏もその国が存在することを認めていると言うことです。
原住民たちを散々大虐殺して、今や世界にオレサマ気取りで君臨している国もあります。奴隷貿易植民地支配でぼろもうけした自称紳士の国も未だにあります。ほとんど病気なくらい自意識過剰の国もあります。これ、ぜんぶ存在が許されています。
アメリカが気に入らなかろうが、日本が許せなかろうが、存在が許されているのです。アメリカが地球の反対側にまで軍隊を送り込んでドンパチをしていても、中東のその国はまだちゃんとあります。
逆にローマ帝国やピラミッドを作ったエジプト王朝、インダス文明などの壮麗な文明を築き上げた正統継承者は滅亡して随分経ちます。
宇宙は「あなた」のものさしで動いているわけではありません。
和というのが日本のトレードマークだと思うのであれば、日本人のものさしをよそにあてないこと。粛々と日本人としてあるべき正しい姿を粛々と行い、それを薫香の如く世界に広めること。これだと思います。「我が国は最高」などと喧伝する様は見苦しくも愚かしい。どこぞの自意識と自信が過剰な国と同じになってしまいます。黙ってやばよい。
私の流派には世界数十各国から毎日のように来日して稽古をしている同門たちがいますが、もし彼らに「我が国の礼儀作法は最高である」なんて言ったら、たとえ彼らが日本の武道を稽古していても白い目で見られます。最高かどうかではない、自身でそれを体現して見せ、何か思うところを引き出させてやる。そして心に響けば彼らが自然に祖国でも使うことでしょう。私は本物の和とはそういうものだと思って日々粛々と自分のできることを行っています。
平成二十七年如月二十七日
不動庵 碧洲齋