不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

日本を広げる

「世界で日本文化ファンを増やして親日国を増やしていけば、将来、もし日本が外国から危害を受けそうになったり、いわれのない誤解で非難を浴びても、『あの国や国民を滅ぼしたり、危害を加えたりしてはならない、日本や日本国民に限ってそんな行動をするわけがない』と、日本ファンの国の声が大きなものとなり、力となって、武力以外の外交の場で支援してくれます。茶道を含め世界に誇れる日本の文化をもっと発信して、外交力アップにつなげるべきです。」

(「イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか」宮田律著、国際協力銀行の元行員の言葉より)

昨日から読み始めた本にあった言葉です。

私が日頃から目指している目標が非常に分かりやすい文になっていたので転載しました。

この国際協力銀行の元行員さんは卓見です。

片手でもおつりが来るほどしかない反日国ごときの為に目をつり上げていきり立つような思慮の浅いネット民が増えている気がします。世界のかなり多くの国はどちらかというと日本を肯定的に捉えています。ま、人は気にくわない不快なものほどよく目に付くそうですから、(しかも近い国でもあることですし)不愉快な国に対してはより攻撃的にならざるを得ません。それを「愚か」と私は定義します。ただし言っておきますが、悪意ある目論見には万全を期しておかねば、それはそれでバカを見るというものです。私たちは古代の理想郷に住んでいるわけではありませんから。具体的には海上保安庁の権限強化と自衛隊のがんじがらめの現行法(というかこの憲法違反状態)の解除です。

昨今のネット評を俯瞰するにどうも「普通の他国」と同じ土俵に立ちたがる向きこれあり。

普通に軍隊を持つ。(自衛隊を軍隊として正式に認める)

普通に軍事行動が起こせる。(ま、さすがに日本の場合は防衛のためとか)

世界の国連主導の作戦に参加する。(非軍事に限ってでも)

確かに今の日本では暫定法や拡大解釈で自衛隊を動かしている現実があります。しかしこれは与党の苦肉の策。さりとて野党の言うがままだったら文字通り国家滅亡です。外交政策に限って言えば民主党政権は本当に危なかった。(因みに最近知りましたが、経済成長面では今の政権の方がよほど悪いのだそうです・苦笑)

日本は多分他の国と「同じ」ような「普通」ではいけないと思っています。

他の国家と同じような軍隊編成を持つことの良し悪しではありません。

その正統施行者たる日本国政府、引いてはそれを選んでいる日本国民のことです。

日本国民は日本が世界最古の王族を戴く世界最古の国家であることをよくよく鑑みて、千年の計に想いを馳せるべきだと思います。

理想論に過ぎると思うかも知れませんが、私が30年近く、多分100ヶ国前後の国の人たちと知り合ってきた感想としては、大国でありながらこれほどに憎まれてない国は珍しい。あまり言いたいことを発信していないというのもありますが、それ以上によい品質の製品を黙々と多く供給しているというのも理由の一つかと。最近ではもちろんモラルの良さが挙げられています。故に頭に紹介した国際協力銀行の元行員の言葉ははるか遠い理想ではないと私は思っています。このやり方は日本だからこそ出来そうな気がします。失礼な物言いですが、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、経済大国や軍事大国でもあるこれらの国では決してマネのできないやり方を、日本人はすべきかと思っています。

私が日々、SNSで外国人に色々と日本を紹介し、日本人の伝統や文化、歴史やものの考え方をできるだけ紹介したり、色々な歴史イベントや体験をさせたりしているのはまさに日本ファンの人を増やす為です。時間はかかりこそすれ、これが一番平和的で品があります。そして何より日本的でもあります。現に反日国の国民ですら日本に来るとその虜になる人は多い。だからそれこそ反日国の人にはどんどん来てもらい、現実を見てもらい、彼らの政府がいかにいい加減なことを言っているのか知って欲しい。数百万人がその事実を知ったとき、ま、穏やかに終わらないこともあるでしょうが、大きな変化が現れると思います。

留学時、台湾の留学生は異常なほどに日本人留学生をかばってくれました。

歴史問題などで難癖つけられても日本人自身は黙っていたり、その場の空気を壊さないようにと思う人が多いのですが、台湾人のほとんどは自分が侮辱されたかの如く怒ってくれます。人によってはちょっと日本人が困ってしまうぐらい。世界の全部が敵になっても台湾は最後まで日本の味方なんだろうな・・・と思ったほどです。つまりそういう国をどんどん増やすと言うことです。個人的にはそれはできるだろうと思いますが、突き詰めて考えるとやはり最後には欧米の一部とまたぶつかる様相なきにしもあらず。どうしても相容れない部分があるような気がします。あくまで私の主観ですが。だからこの時代なればこそ、相互理解をできるだけ深めて、日本のものの考え方を伝え理解させることは重要ではないかと思います。

反日国をイビったり、愛国の情熱を日本人同士に喧伝し合うヒマがあったら、日本の持つ奥深いものをよくよく学び、それを世界に粛々と広める努力が必要かと思います。

写真はスェーデンの同門と時代祭に参加したときの写真

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平成二十七年如月二十日

不動庵 碧洲齋