了承を意味するOKのことです。
先日たまたま「マッサン」を観ていたらマッサン夫婦の愛娘であるエマちゃんが何かの折に「OK」と言っていました。
英語を使い始めてからOKの語源に興味があったので調べたことがあったので、注意を引きました。
OKは結構新しい言葉で、wikiによると1839年のボストンで生まれ、"oll(all) correct" 全部正しい、の意で使われたのが最初だそうです。あまりに急速に広まったのでこれもあまたある説の一つだとか。
その後南北戦争で一般的になり、アメリカの一般社会で広く使われるようになりました。
更に1800年代後半には英国を初め欧州にも広まったそうです。
ただし1800年代後半、米国から広まった頃のOKは、英国では不適切なアメリカ英語として見なされていましたが、これも第二次世界大戦で広く普及して、戦後はごく一般的になりました。
日本の歴史では先の大戦の主な敵対西側陣営を「米英」と書きますが、実はこれは戦時中、昭和17年末や18年頃から使われたもので、実はその前は「英米」という表現が多かったそうです。
思うに日本人は戦争が始まる前にはその国の文明度を基準にものを考えていたので、国王がいて歴史や伝統も古い英国を上位としたのだろうと思います。実際に戦前までの英語教育はイギリス英語の方が多かったと聞きます。(ただし最初に雇用された英語教師は米国人だったように思いますが)
なので日本の社会でOKが使われ始めたのは多分戦後ではなかろうかと思います。
マッサンの話しです。エリーの生まれは1896年、元植民地のごろつき英語なんか使っちゃいけません、という程度にはステイタスの高いお医者さんの家の生まれです。しかも本人は大卒。
来日後はそれほど多くの欧米との接触があったとは思えません。思うにエリーは元からフロンティアスピリッツの強い女性だったのかなと思います。マッサンと恋をしたのも、まだ見知らぬ土地、日本に行くという気持ちも、彼女の正確を表わしていますが、当時イギリスでは見下されていたアメリカ英語を積極的に使い、娘にもそれを伝え使わせている辺り、エリーの気持ちの在り方が分かろうというものです。
ま、脚本担当が知らずにたまたま使っただけかも知れませんけどね。
時間的になかなか観られませんが、知人友人に国際結婚をした人が多いので、なかなか好感が持てるテレビ番組の一つです。
平成二十七年如月十二日
不動庵 碧洲齋