不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

立志・信義が為に

今朝、息子と朝食を取っているときにたまたまニュースでどこかの地域の独立運動の話が出てきたので、インドネシア独立運動の話しをしてやりました。よくテレビに出てくるデヴィ夫人の旦那さんは独立したインドネシア最初の大統領で、彼は残存した日本軍と共に宗主国だったオランダと戦った立派な人だったと教えました。日本の敗戦後、将兵たちはすぐにでも祖国に帰還できる選択肢があったのにそれをせずに現地に留まり、宗主国だったオランダから独立するために戦うことを選び、多くの旧日本軍将兵が戦死したという話をしたところ、息子は食べていた手を止めて少し考え込みました。

息子は驚いたようにどうして敗戦までしたのによその国のために死ななければならないのか、既に日本は負けて戦ってはいけないはずなのにどうして戦ったのか、疑問を抱いたようです。私は他人の不幸を自分のことのように受け止める、一度交わした約束、打ち立てた志を果たすためであれば命を擲ってもよいと答えました。人はいかなる場合も生存が最優先されるが、信義や立志を果たすためには決して命を惜しむことがあってはならないと、いつものことですが言い聞かせました。

命を大切にとはどこでもよく言われますが、命を捨ててもよいケースを教える人や機会を知りません。生老病死、どれもバランスよく教えるというのが私の主義です。また平和を是とするなら戦争も知らねばならないというのも真理だと思い、息子にはよく生き延びねばならないとき同様に死なねばならない時についても話します。

今時はよくネット上でネトウヨとかやや行き過ぎの感がある保守系が見受けられますが、そうではなく、本当の正義、本当の真理を見極め、その為に命を賭けることの尊さについてよく語るのですが、右でも左でも安易で安直なものほどたちが悪い。最近は中国製品の如く安かろう悪かろうがとても多いように感じます。

他の子供とは違った視点を持たせたいと思います。私自身、平均的な日本人と比べると生活環境も経歴も運良く国際的だったこともあって、息子にはより広くより深いものの見方をしてもらいたいと思っています。

インドネシア独立を描いた映画に「ムルデカ17805」というのがあるのですが、機会があったら息子にも見せてやりたいと思います。

・・・ま、朝食時にする話しではなかったかも知れませんが(苦笑)・・・

平成二十七年睦月十七日

不動庵 碧洲齋