不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ミステリーは24年後に明かされる

先日買った懐中時計について。

スイス製MARVIN手巻き式懐中時計を買ってから間もなく1ヶ月になりますが、毎朝起きて半ば寝ぼけた状態ですら、強い使命感を以てやるのがこの懐中時計のゼンマイを巻くことです。この時計を毎朝キリキリ巻いてやるのが結構楽しく感じます。

電池でもない、ソーラーでもない、自動巻でもない。所有者自ら巻かねばならないというアナログチックな作業が何とも郷愁をそそり、所持している満足感を一層引き立たせてくれます。何と言っても手にした時のずしりとした重量感がたまりませぬ。

このMARVIN手巻き式懐中時計は鎖まで入れると優に100gもある比較的大きめの懐中時計です。直径5センチ。ポケットに入れていると割に重く感じます。私の携帯電話の重さが180gですから半分以上の重さがありますが、大きさも大体携帯の半分ぐらい。こちらも必ずポケットに入れている歩数計と比べるとやや大きいながら格段に重いです。リューズが3時方向にあるという以外は別段大きな特徴も無い、ごく普通の懐中時計なのですが、私にとってはそれが何よりもいい。刻印も考えましたが、結局何も入れなくて良かった。

実用的にもやはり思った通り便利です。炎天下取り出しても携帯の液晶と違って時間がハッキリと見えますし、そもそも盤面が大きいので顔に近づけなくてもよく見えます。またなによりこのITが発達した時代にあえてアナログ機械を手にしているというのはすごく優越感があります。今品切れ中の革製懐中時計ケースが再入荷したらすぐに買いたいところ。これを買ったら最強(?)です。

これを買ってから何度も販売店にメールして色々質問しました。さすがに正規代理店だけあって親切丁寧な返事です。

最初に尋ねたのは価格(笑)。元々の定価が75,600円もするのに、特価で29,800円というものすごく安い価格になっています。正真正銘中味も外見もスイス製でスタンダードなムーブメントを使っていた場合はこの定価が妥当なのですが、これから手巻き式懐中時計を所有される入門者向けと言うことで格安にしたそうです。ちなみに私が買ったモデルはアラビア数字とローマ数字それぞれ500個ずつしか生産されていない限定モデル。価格や品質を考えるとこのモデルはかなりお得です。買う前にネットで時計マニアの方々に何度か質問しましたが、販売店である正美堂さんであれば間違いないと言うことで買うことに決めました。手巻き式というと精度とか気にしそうですが、今の世の中どこに行っても極めて高い精度の時計があります。また、精度が落ちるといっても1ヶ月過ぎてどのくらいずれたのか分からない程度、つまり1分以内の誤差です。逆に日常生活では電波時計のような精度をどんな場面で必要なのか、改めて考えさせられました。

もう一つの質問はちょっとミステリアス。

最近になって、この懐中時計の8時の目盛りが赤く装飾されているのに気付きました。色々考えたのですが、どうしても理由が分からず、早速メールしてみました。

正美堂さんからの返事です。

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8時の赤い部分でございますが、こちらはMARVINブランドに隠された謎となっております。MARVIN社は「8」という数字に強くこだわりを持っているらしく、腕時計、懐中時計含めすべてのMARVINの時計は、8時方向が赤く装飾されております。

この謎は創業188年を迎える2038年に明かされるという事で、当店でも全く分からないミステリーとなっております。

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う~ん、何ともミステリアス。そうすると2038年まではこの懐中時計を大事に使って下さいって事ですね。2038年と言ったら今から24年先。私は69歳!普通に考えれば生きていると思いますが、さすがにこの歳になっていたらポケットに懐中時計を忍ばせておいても違和感ない紳士になっていますかね。そうありたいものです。それにしてもあと24年・・・長いっ!!!

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懐中時計専門店 正美堂

http://www.pocketwatch.jp/index.html?grid=header

懐中時計を買うならぜひこのお店で!

平成二十六年葉月朔日

不動庵 碧洲齋