不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

武風、斯くあるべし

月曜日は珍しく有休を取って稽古に出ました。本部道場で私の師が指南する日でした。

当流は海外に門人が非常に多いことで良く知られていますが、その数は10万人以上とも言われています。

月曜日の例で言うと、稽古参加者45人のうち、師匠と先輩1人と私以外はみんな外国人。ま、これは少々いつもとは違いますが、日本人の方が多いことなど、年に数えるほどしかないのは事実です。

東アジア圏からはさすがに少ないのですが、世界中の国から稽古のためだけに日本にやってきます。多分70ヶ国ぐらいにはなるかと思います。

年に何度も来られる裕福な方もいれば、数年に一度、やっと1週間という門人もいます。

その昔はなかなか名前と顔が一致しませんでしたが、昨今はフェイスブックが普及してきたので、来日せずともみんなで色々質疑応答に答えたり、日本について紹介することが容易になっています。私にとってはものすごく助かっています。

そういう環境下に30年近く在籍していますから、日々外国人と顔を合わせなかったり、ネット上でコミュニケーションを取らないと何となく変な感じです。

主義主張、思想や文化歴史なども多岐に及びます。もちろん、日本より古い国はほとんどありませんし、やってくる方は程度に差こそあれ「I love Japan」の人たちです(笑)

こういう環境下にいるのと仕事でも英語を使っているため、不自由ない程度には英語を使います。だから日本に居ながらにしても世界中の人と話す機会があります。

こういう人たちの中にいると、日本の世界での立ち位置がよく分かります。祖国を愛すること、敵対している国とは何なのか、国際社会とは、伝統とは、歴史とは、文化とは、色々な意味で考えさせられます。

当流に所属している門人はこのようなことを踏まえてもらいたいと思います。

偏狭で偏向したものの考え方は当流の武風に悖ります。

広く見る、寛く覧る、博く観る、そこで我が日本の武芸を以て世界に和を掲げる。これあるから当流の武風ではないかと思います。

泰然とした悠久の流れ、ブレない幹を持った大樹、そういう武風を持ち続けたいところです。

平成二十六年如月二十七日

不動庵 碧洲齋