不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

美人・犬・猫

昨日、自分の机で仕事をしていたらたまたま聞こえてしまったことです。

その昔、弊社には昼食補助費みたいななにがしかの手当が出ていたそうです。

今はもうないはずですが古参社員が何か勘違いをして今でもあるようなことを入社して1年ちょっとぐらいの新入社員にポロッと言ってしまったようです。

そしてその社員はいても立ってもいられなくなり、工場長にそれを要求したとか。

その新入社員は作業現場の方で私よりも少し上ですが、よく言う口癖が「うわ~事務所は暖かくていいなぁ」「事務所は涼しいくていいなぁ~」「事務職はいくらもらってるの?」「こっちはこのくらいしかもらってないのに○○・・・」「カミさんより給料が低くて・・・」

日頃からそういうことばかりを言う人故に、昼食補助費があると聞いたとたんに欲しくて仕方なかったのだと思います。50歳は天命と言われますが、彼は自分の天命は見えなかったのでしょうか。

日本人と中国人の仕事を見ていると、大きな違いがあります。

中国人の場合はお金を追い求める手段として仕事をしている人が多いように思います。

『美女はオレを癒してくれるに違いない!』という信念の元、メチャクチャ足の速い美女を全速力で追いかけて、挙げ句に追いつきもしなければ追いついたとしてもクタクタになって心身共に参ってしまう、そんな様相に見えます。蜃気楼を追う、というと現実にお金持ちもいるのですからそれは酷な表現ですが、お金もある人はやはり善人であっても悪人であっても心得がある人ではないかと思います。

日本人の場合は仕事をカンペキにこなそうという資質が多くあります。微に入り細を穿つ細やかなところに至るまで徹底してカンペキであろうとします。だから良くも悪くも迅速さはありませんが、近頃のIT化によって速度まで上がってきています。

・・・そこにお金が付いて来るのです。確かな技術、確かな仕事にお金が子犬のように後から付いて来る。日本人が持つ仕事の観念は昔からそんな感じではないでしょうか。まあ、最近はこの新入社員さんのように少々心ともなくなっては来ていますが。

だから傍から見ると外国人からは何と割の合わない仕事をするのだろうとか、甚だ効率の悪いことをしているのだとか言われていますが、それで世界でもトップクラスの経済力と技術力はどう説明しますか(笑)。カミサマは超優秀な民族故に、ハンデを付けたのかも知れません。

お金との付き合いは猫のようでありたいと思います。もしかしたらお金に束縛されないお金の達人は人と猫の付き合いのようなのかも知れません。つかず離れず。人が癒されたいときは人から寄り添い、猫が要求するときは猫が寄り添う。猫カフェなんていうのがあるくらいです。人とお金の関係は人と猫のようなものであればかなり健全ではなかろうかと思います。

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うちのノラ、ランちゃん

平成二十六年如月二十一日

不動庵 碧洲齋