昨日、とうとうクワガタが死んでしまいました。
動いているのかどうか微妙な柔らかさだったので、死んですぐだったと思います。
捕獲してから5ヶ月近く生きていた計算になります。
冬になってからは寒くないようにしたり、乾燥しすぎないようにしたり気を付けていましたが、やはり寿命でした。
ただの虫の命ですが、息子に飼育させたことで命の尊さ、命の重さのようなことを分からせたような気がします。
「一生懸命に生きていたのにね。」
私は残念に思いつつ、丁重に葬ろうと思い立ち、仏壇の前に遺骸を置き、ろうそくに火を付けて線香を焚くと、息子は何も言われないのにさっと隣に座って手を合わせました。ひしひしと命の重さを感じているようでした。
般若心経を唱えてから骸を庭に埋め線香を立てました。
先日、東武動物公園に行ったときだったか、息子はなにげにこんな事を話しました。
「命ってさあ、本当は重いとか軽いとか、計るものじゃないんだよね。計って何かが分かるものじゃないと思うんだけど・・・。」
「なんでそんな風に思うんだ?」
「う~ん、よく分からないけど・・・だってそれってずっとつながっているから計れない?とか・・・よく分からないなぁ」
言葉にできないだけで息子は理解しているんだなと思いました。
連綿とした命がつながっている様が見えているのだと思います。(私などより)
遠い昔からずっと自分まで繋がり、本人もまた、それを未来に繋げていく、これは私がよく息子に言っていることですが、本人は体感としてそれを理解しているようです。
窓の外から息子がクワガタを埋めて石を置いている姿を見ていました。
そういう姿もとても尊いものでした。
これからも仏の導きがあるよう、願ってやみません。
平成二十五年師走二十四日
不動庵 碧洲齋