通勤途中、よく気になる3人のオヤジたちとすれ違います。
1人はちょっと古いシルバーのジムニーに乗った、グラサンをかけたオヤジ。ジムニーは少しくたびれていて、ルーフキャリアーにフォグライトが付いている、ちょっとアウトドアっぽい。
1人は生コン会社の前を通ると時々すれ違うのですが、駐車場に車を置いて事務所に向かう生コン車のドライバーのオヤジ。作業服を着てますが、夏は麦わら帽子にグラサン、今時珍しくコーンパイプをくわえて長靴で歩いています。
最後は少し古いナナハンのバイクに乗ってすれ違うオヤジ。ヘルメットも頭に被るだけの安いヤツ、雨の時も百円ショップのものと思われる安い雨合羽。作業服からすると工事現場の作業員とかそんな感じ。
彼らの他の場面を見てないので、それ以上のことは分からないのですが、3人ともものすごくカッコイイオヤジに見えるのです。あの年齢が醸し出す雰囲気というのでしょうか、何度すれ違っても渋くて味わい深い感じがします。
皆さんたぶん50代半ばから60代半ばぐらいではないでしょうか。バイクオヤジは70歳近いかも知れません。この不公平な世の中にあって、時間だけは誰にも等しくやってきます。アンチエイジングに狂奔するのか、金儲けに右往左往するのか、苦しみを耐え忍ぶのか、色々あると思いますが、この方たちはたぶん、あくせくするような生き方だけはしていないのではないかと思います。
私は来年45になりますが、自分でまだケツの青さが取れてない気がします。妻によく「若く見えるのは人生を苦労してないからだ」とよく非難されますが、腹が立っても反論する材料が少ないのも事実。(ま、妻も言うほど苦労しているようにも見えませんが)やはりこう、もう一つ二つ、大きな荒波というか津波にのみ込まれてもがき苦しまねばならないのかなと思います。贅沢を言えば歳を取ってからではなく早い内からがいいな(笑)。老後に苦しむのは嫌ですから。
どうせ重歳するなら、全く見知らぬ他人が見てほれぼれするようなものでありたい、そう思って毎日の生活をなるべく慎み品行方正を心掛けてますが、10年15年後、彼らのようにはなかなかなれないのだろうなと感じます。
平成二十五年師走十九日
不動庵 碧洲齋