不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

放射能の心配

海外に行ったときや外国人同門たちのつぶやきを見て思うところがあります。

FUKUSHIMAは今や放射能汚染の代名詞みたいに言われています。

ま、確かに割によくやっている政府ではありますが、それでも対応能力はというといささか心許ないレベル。民主党政権じゃなくて良かったという満足はあるにしても、民衆が期待するレベル、世界が求めるレベルで考えるとまだまだ。

海外ではまことしやかに放射能汚染についてニュースが流れている今日この頃ですが、日本のニュースが抑え気味であるというなら、あちらはショッキングなものが多い。足して2で割ったら丁度良さそうな気もします。

言うまでもなく日本は世界で唯一、核攻撃を受けた国で、しかもご丁寧に2発も落とされました。思うに今後、人類がアニメやSF並に愚かにならない限りはこういう事は起きない確率が高いと思います。

そういうこともあり、我が国民は例え「今時」の若者であっても他国に比べるとかなり良く知っている、関心があり、まずまずバランスの取れたことを学校で学びます。海外では基本そんなことは勉強しませんので、皆さんはドキュメンタリーとかSFとか(苦笑)ニュースで知ります。興味がある人はインターネットも使います。

そうすると、日本人である私からするととても偏った情報ばかりが氾濫していると思わなくもない。福島原発の周辺海域は確かにある程度放射能汚染はあります。たぶん、今までよりは高いでしょう。そしてその責任の一環は東京電力にあり、原発を認可推進した日本政府にあり、その政府の連中を選んだのは私たち日本国民です。もちろん、原発をたくさん作らねばならないようにしたのも日本国民です。悪いというか時代の要請という側面が大きいとは思いますが。

日本以外の先進国がどのくらいの核実験をしてきたのか、米国国民がどのくらい知っているのか、尋ねたことがありますが、笑っちゃうぐらい無知です。もちろん太平洋でガンガン爆発させたことなど、知る人も少なし・・・。日本の原爆や福島に興味があるのは米国にとってはある程度、重要な交易相手国だからであり、世界にとっては重要な経済大国であるからです。フランスにしろイギリスにしろ、先進国ではない核保有国にしろ、黙っているか国威掲揚に使うかどちらかです。

ラスベガスに仕事で行った折、核実験博物館に行ってきました。偶然にも東日本大震災の1週間後だったりします。もちろん人類史上今のところ唯一戦争に使われた広島、長崎の原子爆弾についての展示もあります。某国人(アジア)の観光客辺りは「ざまあみろ」みたいな感じで見ていた人もいますし、同じアジア人でも品が良さそうなのは大抵日本人なので、係員は冷ややかです(苦笑)。一度だけ、老人夫婦から大震災についてなにがしか質問を受けました。放射能についても非常に心配して頂き有難かったのですが、その時、彼らの背後に展示してあった写真が下の写真。

画像

これ、ラスベガスから見えた核爆発のキノコ雲です。私も初めて見たときはぎょっとしました。あんたら人の心配する立場かと苦笑を禁じ得ませんでしたが、海外の人たちのセンスなど所詮こんなものです。日本に住んでいる同門もやはり、母国のニュースと日本の現実のギャップに呆れる人も多いようです。大気中/海中の放射能というなら50-60年代の方がよほど多かったに違いありません。放射能汚染水の分布図、あれ、正しく理解する人いるんでしょうか。真っ赤なところは取りあえず危険、というレベルでしょう。きっと。

だから福島は心配ないというものではありませんが、過剰に煽る海外のニュースとそれに便乗する外国人には時々辟易させられることもあります。・・・こんなことを英語で書いたら、炎上しそうなので書きませんけどね(笑)。

平成二十五年霜月八日

不動庵 碧洲齋