不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

東洋の盟主たる者として

米国留学時と豪州赴任時に子供たちの世界観について非常に驚かされたことがあります。子供たちと話していると、子供たちは「The West = The East」ではなく、The Westの外周部分にThe Eastがあり、世界経済や文化、文明は全て欧州中心、発祥であるという風に考えていたことでした。アジアは欧米の外側にある、そんな感じでしょうか。民主主義国家の元で、そんな考えがはびこっていたことにショックを受けました。

少なくとも日本では東洋と西洋は対等なものだと教えられると思います。(まあ憧れという意味で西洋優勢の部分はありますが)たぶんこれは大航海時代から戦前までの帝国主義的なものの考え方が未だに残っているものだと想像します。彼らは大人になってから、後天的に東西は対等なものだと知識として知りますが、子供の時に植え付けられた精神的な世界観というのはなかなか消えないのではないかといつも思います。

残念ながら経済や精神世界で西洋諸国と対等以上に張り合える東洋諸国は今のところ日本しかありません。そしてすでに帝国主義などでは張り合えない世の中で以上は、ある程度フェアな経済力や科学力、そして何よりも文化力だと思います。これらで数多きら星のようにある西洋諸国を圧倒せねばなりません。(しかも同じ東洋諸国の一部からは足を引っ張られながら!)

バブルの頃にも、米国人たちは日本人に対して似たような事は言っていました。その時の日本人はおごり高ぶり、耳も貸さなかったように思います。中国人だからザマアミロという輩は日本国の精神文化に泥を塗る愚かな連中にしか過ぎません。戦後の矮小化された教育の産物、ある意味被害者なのかも知れません。日本が本気で東洋の盟主だと自負するなら、こういう場合、日本国民はどういう感情を発露させるべきか分かろうというもの。もっとも鼠は獅子の心を生涯解さないと言います。

本気で日本国民たるつもりでいるなら、それこそ天皇陛下だったらどのように発言されるか、どのように行動されるか、慮ってみればいいのです。完全には無理にしても、なるべくそのように努力すればいいのです。品のない発言を繰り返すことは長い目で見れば反日国家を利する行為でしかありません。

そういう意味で今回の米国人児童の発言は驚くには値しませんが、米国人の潜在的な一般的なものの考え方を反映していると言えます。これが悪いとか言うものではありません。日本だって後ろ指指されるような潜在意識はあります。私はバブル時に留学していたので、海外で日本人のご乱行をよく目にしていました。中国人ほどではないにしても、日本人として結構恥ずかしかったですよ。人は何に怒りを感じるかによってその志の高さが分かります。何がおかしいと感じるかによって品位の高さが分かります。

他人の不幸は蜜の味と言います。これはなかなか名言だと思います。他人の不幸を味わっているうちに、自分が快復不可能な糖尿病にかかってしまうからです。たぶん、そういう国家が歴史から消え去っているのではないでしょうか。日本が万世一系に永続すると信じる日本人であれば、今少し精神的に賢い言動を心掛けたいところです。

「中国人を殺せ」米児童討論番組

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131024-00000016-scn-cn

平成二十五年神無月二十五日

不動庵 碧洲齋