不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

子供部屋について

ここしばらく、私は息子と寝食を共にしています。

暑い夏の夜でも我が家ではエアコンを使いません。自宅の中で一番涼しい部屋は和室になります。なので、息子は階下に降りてきて、私の部屋で寝るわけです。

夕食後、息子はテレビを観たり観なかったり。あまりかじりつくことはありません。

まれに気に入ったドラマがあるだけですが、用事があれば見なくとも気にせず。

ちなみに我が家には録画機器も設置してません。基本的にその時観なかったものは、後でも観ないと言うこと。

ゲームもありません。ごく希にネットで頭脳系ゲームはします。

まあ、友人宅に行ったときはゲームもしますが、家で欲しがったこともなし。

どうしても観たかったら、今時はネットで有料で観られます。

今のところ欠かさず観ているのは、Gyaoで毎週水曜日更新される「進撃の巨人」を息子と観るぐらい。それ以外は大河ドラマを含めてほとんど見ません。

時々観ておもしろいと思うのは「Youはなぜ日本に?」とか「世界の秘境に住む日本人」みたいなやつ。妻がよく観ているので。

息子と二人で勉強したり、プラモデルを作ったりすることが多いです。

朝食もほとんど2人で食べます。

子供部屋の話しです。

海外では子供の個室を「bed room」と呼びます。直訳すれば当たり前ですが「寝室」。決してprivate roomとは言わないんですね。初めて米国の子供のbed roomを見たとき「一体どこで勉強しているんだ?」と思いましたが、小学生ぐらいの子供たちは皆、リビングやキッチンで勉強をしています。豪州でもそうでした。

小学校から中学校に上がる頃、思春期になる頃から寝室に本格的な勉強机が出現する家庭が多いように見受けました。

キッチンやリビングでは親がいて、親の監督の下で勉強をしています。小学校ぐらいであれば大して学歴のない親でも十分に見てやれることができます。

どうも日本では「個人主義」なるものが明後日の方向を向いているような気がします。小学生の頃から個室が与えられ、そこに放り込まれる。勉強も就寝も遊びも全部その閉鎖空間でさせることが先進的だと思い込んでいる。これは子供には難しいと思います。最初に義務と責任、あるいは親の権威を体感させるにはやはりある程度は親の監督下にあった方が良いわけで、集団生活という意味合いもあります。親に対する服従や敬意を持たせること、規律を知らしめる事、こういう事を学んではじめて理解するのが自由です。日本の自由に対する考え方は私には賛同できません。私も個室が与えられたのは高校生になってからで、それまでは弟と相部屋でした。もっとも勉強は子供部屋でしたが。

ということで私はよく息子とキッチンのテーブルで勉強をしたりパソコンを開きます。もっとも和室の机が椅子を使わない低い机なので、長時間の場合はやはり椅子の方が良いわけで、そういう意味で息子と二人してキッチンテーブルで黙々と勉強をするわけです。ちなみに今はロシア語ですが、本を読むこともあります。二人で黙々と夜や早朝に勉強をしています。息子は分からないことがあれば聞いてきます。そして今のところ風呂や就寝、私が朝食を作り、食べるのも一緒なので、言ってみれば寮生活のようなもの。しばらくはイヌネコの親のように子供に見せて、自らの姿勢を以てある程度のことは教えたいと思います。

息子は親も勉強をしている姿を見ています。言葉でいくら取り繕っても、実際に実践している姿を見せる以上の教育方法はありません。そういう姿勢を見せることはとても重要ではないかと思います。

平成二十五年神無月十七日

不動庵 碧洲齋