不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

選挙に行こう

私はロシア人と中国人共に政治について熱心に話したことがあります。

ロシアではソビエト連邦崩壊後、何度か大統領選挙が行われましたが、投票率は依然低いそうです。言うまでもなくそれは長らく国民が社会主義国家下で抑圧されてきたのが原因です。政治不信から、投票に行っても野党に投票したらあとでひどい目に遭わないか、とか(それは少数です)、自分たちが投票しても結局政府がいいように操作して、結局自分たちに都合がよいように結果を変えてしまう、というものです。それはあるかも知れません。とはいえ、政治に無関心であることが一番よくないと、ロシアの友人に語りました。最初は政府によって不正が行われていたとしても、時間を掛ければそれは必ず矯正される、無関心なことが一番いけないと言ったことがあります。日本人にはなかなか理解しがたいかも知れません。日本で普通選挙が行われるようになったのは戦後ですが、それでも70年近い。取りあえず条件付であっても選挙が行われるようになったのはもう135年も前のことです。封建時代とかはもうひいじいさんの世代でも分かりません。しかしロシアではまさに今、それに遭遇しています。一般市民が政治に介入するというのはなかなかこれで勇気が要るのでしょう。ロシアの経済事情や政治はまた、アメリカと拮抗できるほどになることも或いは不可能ではないと思いますが、冷戦時代のような関係にはならないと思います。今後のロシア国民の舵取りを期待したいところです。

中国に我が社の工場があり、時折研修生がやってきます。前回やってきたのは日本語がかなり達者な大卒の若者。90年代生まれです。普通に共産党政権に対しては批判的ですが、攻撃的と言うよりあきらめムード。どこぞ南部の地方都市で試験的に選挙が行われたことに関心を持ち、それが広まればと思っていましたが、当然そんな事になるはずもなく。日本の環境も褒めこそすれ冷めた目で見ていました。もちろん、中国の環境問題にも批判的でしたが、これまたあきらめムード。丁度解散総選挙の時だったので、投票整理券を見せてあげましたが、普通にうらやましがっていました。政治の腐敗状態や不正は特に若者であれば我慢ならないはず。中国の怖いところは、歴代王朝は全て、「民意によって」王朝を潰されているところ。そういう意味では歴代王朝は全て、民意を反映していると言えるのかも(苦笑)。しかし今時共産党政権を内紛で撃破するのは国民全部に迷惑がかかります。できるだけ早く、できるだけ穏当に政権交代をして欲しいところ。

今回の投票率は低いと言われていますが、民主主義下では我々が主人公でもあります。白紙投票でもいいので投票権を無駄にして欲しくないところです。大人は明日必ず投票しましょう。

平成二十五年文月二十日

不動庵 碧洲齋