不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

本日フェイスブックにて上げた、異国同門への文

2年前、巨大地震に遭遇した折、多くの武友が私の家族を彼らの国に避難するよう申し出がありました。

私はその時、誠実な友情を感じました。私は申し出てくれた多くの武友たちに感謝を述べねばなりません。

今でも深く感謝しています。

原始時代、幾人かの旅人たちは東の果ての、この小さな島にたどり着きました。この小さな島には多くの火山、多くの台風、多くの地震がありました。しかし何故か、彼らはそこから去りませんでした。今日、生物学的に東西南北から多くの人がこの不便で危険な小島にわざわざやってきたことが分かっています。

今日、我々は石器時代からずっと先祖がここに住んできていると信じています。何人かは少しずつここにやってきました。しかしながら彼らは組織的な入植者でも侵略者でもありませんでした。彼らは皆、この小さな島の魅力に取り憑かれた人たちでした。この魅力は言葉では言い表せないものかも知れません。

非常事態の時代を除いて、日本では誰も”愛国”を叫びません。私たちは”I love Japan"のステッカーを車に貼ったりしません。政府さえ”国家への忠誠”に関するコマーシャルを流しません。更に戦後、私たちはいかなる愛国主義に関する教育も受けていません。多分、日本に住んでいる外国人は知っていることでしょう。私たちは黙々と先祖がしてきたであろうことに従っているだけです。私たちは伝統芸能を通じて、先祖たちの感覚を感じています。それは確かに国土と民族に根ざしているものです。私はその魅力を理解するために武道をしている理由だと言うことができるかも知れません。

私は多くの外国人が日本の魅力に取り憑かれていることを嬉しく思います。そしてそれこそが私たちのシンボルとして使っている「和」であると信じています。

平成二十五年弥生十二日

不動庵 碧洲齋