不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

大失態をしてしまった・・・

「気配り慎重に」

20歳の頃、私が留学で渡米する折に、寄せ書きに書かれた父の言葉でした。

そのときは気にも留めなかったのですが、大人になってからなるほどと思い、ここ10年ぐらいはやはり父の言うことは違うと、息子の核心を突いた端的なアドバイスに感動していました。

社会人になって、やはりこういうところが欠けているなと思うことしばしば。

昨日、某福祉施設で時代劇風の寸劇をしたのですが、開始前から終了に至るまで、いくつかの他の個人的なタスクなどに心奪われ、本来手抜きは許されぬコミュニケーションや気配りの不足故のミスが連続してしまいました。内心、臆することもなきにしもあらずでしたが、やはり「以心伝心」などという戯れ言を信奉した自分にそっくり返ってきました。マイミクだった一人の友人から厳しい言葉と絶縁状を突きつけられるほどの失態と分かったときは、父のアドバイスが点滅し、全く自分の進歩のなさに幻滅しました。

なまじそのマイミクさんが正義感のある、素晴らしい人だけに平謝り以外に為す術もなく。

色々な方に師事してその方々から有り難い教えを受け、陰徳を積もうと心がけていましたが、いやはやこれでは高校生といくらも変わりません。そして最近努力している何かの言葉に行き当たりました。

「『他人に迷惑をかけてはならない。』というのは難しい、なぜなら誰もが完璧ではないのだから。だから他人を許せる人になりなさい。」

最近、私は細かいことでいちいち正義の大鉈で大断罪してはいまいか?

他人に対して大器ぶって偉そうにしている自分がいます。

顔で許しても、心に淀ませていたら許していないのと同じ事。禅などというものをしながら、他人に対して心を淀ませている自分に天より一喝が下された気がします。

今回は特に一人のみならず、共演者全員に同じ思いをさせてしまったという大失態に、驚く以上に呆れてしまった感じです。

この失敗は、今年の方針の参考にしたいと思います。

ご不快に思ったマイミクの皆様、心より深くお詫び申し上げます。

平成二十五年如月三日 鬼参る日に

不動庵 碧洲齋